資格のテキストや教材を前に「読む時間がまとまって取れない」と感じることはありませんか。働きながらの勉強では、机に向かう時間そのものを確保するのが一番の壁になります。

この記事では、GoogleのNotebookLMを資格勉強・学び直しに使う方法を、音声概要(Audio Overview)を軸に解説します。ノートブックの作成、教材(ソース)の追加、音声概要の生成という基本操作を手順で示したうえで、資格勉強向けのノートブック構成例、通勤中の「ながら復習」ワークフロー、料金やスマホ利用までを順に整理しました。

機能と料金は2026年6月時点のGoogle公式情報を確認して書いています。読み終えると、自分の教材を音声に変えて、移動時間を勉強時間に変える進め方が見え、今日から手を動かせる状態になります。まず全体像から一緒に確認していきましょう。

NotebookLMとはどんなツールですか

NotebookLMは、自分でアップロードした資料だけを根拠に答えるGoogleのAIリサーチツールです。要約・質問応答・音声化を、手元の資料に基づいて行えます。資格勉強で言えば、自分が使っているテキストや過去問だけを「先生」にできるイメージです。

一般的なチャットAIは、学習済みの広い知識から文章を作ります。これに対しNotebookLMは、あなたが読ませた資料の中だけを参照します。範囲が限られる分、答えの出どころがはっきりし、教材から外れた的外れな回答が出にくくなります。

回答には引用番号が付き、元のテキストのどこに書いてあるかをワンクリックで確認できます。根拠をたどれるので、正確さが問われる資格学習でも「どこに書いてあったか」の裏取りがしやすい設計です。

主にできる3つのこと

NotebookLMの中心は、要約・Q&A・音声概要の3つです。読み込んだ資料を要点にまとめ、内容について質問でき、対話形式の音声にも変換できます。

これらは別々の機能ではなく、同じ資料に対して切り替えながら使えます。読む・聞く・問う、という3通りの方法で1つの資料に向き合えるのが強みです。

NotebookLMの始め方とノートブックの作り方

ブラウザで公式サイトにアクセスし、Googleアカウントでログインするだけで始められます。アプリのインストールや初期設定は不要です。

まず最初の「ノートブック」を1冊作るところから始めます。手順はおおむね次の流れで、最初の1冊を作るまで5分ほどで終わります。

  1. ブラウザで「notebooklm.google.com」にアクセスし、Googleアカウントでログインする
  2. トップ画面の「新規作成」または「新しいノートブック」を選ぶ
  3. 続けて開く画面で、読ませたい教材(ソース)を追加する
  4. 左上のノートブック名をクリックし、後から探しやすい名前(例「簿記3級」)に変更しておく

「ノートブック」は、関連する教材をまとめておく1冊のバインダーのような単位です。ここでつまずきやすいのが「1冊に何でも詰め込んでしまう」ことです。

資格勉強では、1つの試験につき1冊のノートブックを作るのが基本です。複数の資格を並行して勉強するなら、試験ごとにノートブックを分けておくと、教材が混ざらず後から探しやすくなります。逆に、関連の薄い資料を同じ1冊に入れると、回答が脱線しやすくなるので注意します。

教材(ソース)をどうやって読ませますか

ソースの追加画面で、ファイルやリンクを指定するだけで読み込めます。1つのノートブックに複数の教材をまとめて入れられます。

対応するソースの種類は幅広く、代表的なものは次のとおりです。手元のPDF教材からネット上の解説まで、混在させて1冊にできます。

  • PDFファイル(電子版テキスト、過去問、配布資料など)
  • Googleドキュメント、Googleスライド
  • テキストファイル、コピーした文章の貼り付け(自分のまとめノートなど)
  • WebサイトのURL(公式の出題範囲ページなど)
  • YouTube動画(解説動画の文字起こしを参照)
  • 音声ファイル(講義の録音など)

ソースの追加手順

ソースの追加は、ノートブック内の「ソースを追加」(または「+」)から行います。手順は次のとおりです。

  1. ノートブックを開き、左側の「ソースを追加」を選ぶ
  2. 表示された画面で、追加方法を選ぶ(パソコンからアップロード/Googleドライブから選択/URLを貼り付け)
  3. PDFや文書を選ぶ。ファイルを画面にドラッグ&ドロップしても追加できる
  4. 読み込みが終わると、左側にソースの一覧が並ぶ

読み込んだソースは、チェックボックスのオン・オフで「今回の回答で参照する範囲」を切り替えられます。たとえば「今日は過去問だけに集中したい」というときは、ほかのソースのチェックを外すと、過去問の中だけで質問できます。

紙のテキストしか手元にない場合は、スマホのスキャンアプリでPDF化してから読ませる方法があります。ただし著作権のある教材は、自分が学習に使う範囲にとどめ、SNSなどへの公開や再配布はしないのが安全です。

無料版では1つのノートブックに50件まで、有料のPlusは100件、Proは300件までソースを追加できます(2026年6月時点・Google公式サポートの上限値)。これらの数値はGoogle側で改定されることがあるため、利用前に公式ページで最新値の確認をおすすめします。資格勉強で使う範囲なら、無料版の50件でも十分なことがほとんどです。

NotebookLMの音声概要(Audio Overview)の使い方

音声概要(Audio Overview)は、読み込んだ教材を2人の対話形式の音声に変換する機能です。ポッドキャストのように、内容を聞いて把握できます。NotebookLMで最も人気の高い機能のひとつで、この記事で資格勉強・学び直しの中心に据えるのもこの機能です。

操作は次の手順で行います。教材を読み込ませた後であれば、生成自体は数分(おおむね3〜8分程度)で終わります。

  1. ノートブックを開き、画面右側のスタジオ(Studio)パネルを表示する
  2. 「音声概要」の生成ボタンを選ぶ
  3. しばらく待ち、生成が完了したら再生する
  4. 右側のメニューから音声ファイルをダウンロードしておく(オフライン再生用)

ポイントは、生成前に「どんな音声にしたいか」を指示できることです。生成ボタンの近くにあるカスタマイズ欄に「簿記3級の初学者向けに、仕訳のルールを重点的に」のように入力すると、聞きたい範囲に寄せた音声になります。漠然と全体を聞くより、苦手分野を指定したほうが復習効率は上がります。

音声概要は日本語を含む多数の言語に対応しており、日本語の教材を読ませれば日本語の対話音声で聞けます。

生成回数には1日あたりの上限があり、無料版は3回、Plusは6回、Proは20回までです(2026年6月時点・Google公式サポート)。資格勉強では、苦手な単元だけを音声概要にして、通勤中や家事のあいだに繰り返し聞く「ながら復習」にすると、机に向かう時間を取りにくい人でも反復できます。

要約とQ&Aの使い方

要約は、ノートブックを開いた直後に自動で表示される概要が出発点です。さらに「この資料を500字で要約して」のように、長さや観点を指定して作り直せます。

Q&Aは、チャット欄に質問を入力すると、読み込んだ資料の範囲で答えが返る機能です。「契約期間に関する条件をまとめて」のように、具体的に聞くほど精度が上がります。回答に付く引用番号をクリックすると元の文章にジャンプするので、必ず根拠の箇所を確認する習慣をつけると安心です。

NotebookLMの料金はいくらですか

NotebookLMは無料版から始められ、上限を広げたい場合にGoogleの有料プランに含まれる形で使えます。プランは無料版・Plus・Pro・Ultraの4段階です。

主な違いは、1日に使える回数とソースの上限です。2026年6月時点・Google公式サポートの数値を整理すると次のとおりです。

項目 無料版 Plus Pro Ultra
ノートブック数 100冊 200冊 500冊 500冊以上
ソース数(1冊あたり) 50件 100件 300件 600件前後
チャット(1日) 50回 200回 500回 2,500回以上
音声概要(1日) 3回 6回 20回 100回以上

有料プランは単体販売ではなく、PlusはGoogle AI Plus、ProはGoogle AI Pro、UltraはGoogle AI Ultraという各サブスクリプションに含まれています。複数の海外メディアによると、2026年6月時点の月額はGoogle AI Plusが約7.99ドル、Google AI Proが約19.99ドルとされていますが、為替や日本での価格・改定の有無があるため、目安としてとらえてください(参考:Google AIプラン)。実際の価格と最新の内訳は、契約前にGoogle公式のプラン案内で必ず確認してください。

資格勉強の用途では、まず無料版で試すのが現実的です。無料版でも1日3回まで音声概要を作れるため、苦手な単元を毎日1〜2本ずつ音声化する使い方なら十分まかなえます。音声概要をもっと量産したい、教材ファイルが多いという段階になってから有料プランを検討する、という順番がおすすめです。

NotebookLMはスマホでも使えますか

NotebookLMはスマホでも使えます。iOS・Android向けの公式アプリが提供されており、ブラウザからもアクセスできます。

スマホで特に便利なのが音声概要です。あらかじめパソコンで資料を読み込ませて音声概要を作っておけば、外出先や移動中にアプリで再生し、耳から内容を確認できます。

スマホアプリでは、ソースの追加や質問も行えます。ただし長い資料の読み込みや細かい編集はパソコンの画面のほうが操作しやすいため、「作るのはPC、聞く・軽く確認するのはスマホ」と役割を分けると快適です。

音声概要を使った社会人の学び直しワークフロー

ここからは、当サイトの読者に多い「働きながら学び直す社会人」向けに、音声概要を軸にした具体的な進め方を紹介します。読む時間を確保しにくい人ほど効果が出やすい使い方です。

おすすめは、平日の「インプット」と「復習」を場所で分ける流れです。次のサイクルを1週間単位で回します。

  1. 週末や夜にPCで、学びたいテーマの教材(PDF・記事・スライド)を1冊のノートブックにまとめて読み込ませる
  2. 「初学者向けに要点を整理して」と頼み、自分用の要約を作る
  3. 同じノートブックで音声概要を生成しておく
  4. 平日は通勤中にスマホで音声概要を再生し、耳から復習する
  5. 疑問が出たら、その場でチャットに質問して引用元を確認する

このサイクルの利点は、机に向かう「まとまった時間」が取れない日でも学びが止まらないことです。聞く復習でテーマに触れ続け、週末にまとめて理解を深める二段構えにすると、忙しい社会人でも継続しやすくなります。

音声概要を耳から聞く学習を、テキスト中心の学習とどう組み合わせるかは人それぞれです。学び直し全体の進め方は30〜40代社会人のAIリスキリング完全ロードマップもあわせてご覧ください。

NotebookLMを資格勉強に使うノートブック構成例

ここからは、この記事の中心テーマである「NotebookLMを資格勉強にどう使うか」を、具体的なノートブックの作り方とあわせて解説します。

資格勉強では、1つの試験を1冊のノートブックにまとめると管理しやすくなります。ソースをむやみに増やすより、出典の信頼できる教材に絞るのがコツです。情報源を主教材と公式情報にそろえておくと、回答のブレが小さくなります。

たとえば、ある資格を独学で目指す社会人(編集部が想定する受験者・Aさんのケース)の構成例は次のようになります。

  • ソース1〜2: 主教材のテキスト(電子版PDF。紙ならスキャンしてPDF化)
  • ソース3: 公式サイトの出題範囲・シラバス(URLで追加)
  • ソース4: 過去問とその解説
  • ソース5: 自分でつまずいた点を書き出したまとめメモ(テキスト貼り付け)

この5冊分のソースを1つのノートブックにそろえたうえで、用途に応じて次のように質問・生成を使い分けます。

  1. 全体像をつかむ: ノートブックを開いた直後の自動要約で、試験範囲のあたりをつける
  2. 頻出テーマを洗い出す: 「過去問で頻出のテーマを一覧にして」と質問する
  3. 苦手の正体を知る: 「この分野で初心者がつまずきやすい点を、初学者向けに整理して」と質問する
  4. 耳で反復する: つまずいた単元だけを指定して音声概要を作り、移動中に繰り返し聞く
  5. 直前に確認する: 「試験前日に見直すべき要点を箇条書きで」と頼み、まとめメモに追記する

このように「読む(要約)・問う(Q&A)・聞く(音声概要)」を1冊の中で行き来できるのが、資格勉強でNotebookLMを使う最大の利点です。

注意点として、NotebookLMの回答にも誤りが含まれることがあります。資格のように正確さが問われる学習では、答えだけで判断せず、回答に付く引用番号から公式の出題範囲や主教材で必ず裏取りしてください。とくに法改正や制度変更がからむ試験では、古い教材の記述をそのまま信じないことが大切です。

仕事での活用例

NotebookLMは「大量の資料を短時間で把握したい場面」で力を発揮します。仕事では、長い会議資料やマニュアルの要点抽出に使えます。「このマニュアルで初心者がつまずきやすい点は」と質問し、研修資料の下書きに役立てる流れです。

複数の提案書や調査レポートを1冊にまとめれば、横断的な比較もできます。「3社の見積もりの違いを表で」のように頼むと、整理の手間を減らせます。

議事録の活用については、録音や文字起こしの扱い方を含めて整理した記事も参考になります。あわせてAI議事録ツール比較をご覧ください。

質問の精度を上げるコツ

NotebookLMでも、聞き方の工夫で答えの質が変わります。条件や出力形式を具体的に指定すると、狙った答えに近づきます。

質問づくりの基本は、プロンプトエンジニアリング入門でも解説しています。同じGoogleのAIを業務全般で使うなら、Gemini for Workspaceを個人で使うもあわせて読むと役立ちます。

NotebookLMの使い方でよくある質問

Q1. NotebookLMは無料で資格勉強に使えますか。 A. はい、Googleアカウントがあれば無料版を使えます。無料版でもソース追加・要約・Q&A・音声概要に対応し、教材を読ませて音声概要を1日3回まで作れるため、資格勉強の用途なら無料版でも十分始められます。上限が増えるPlus(Google AI Plusに含む)とPro(Google AI Proに含む)も用意されています(2026年6月時点・Google公式サポート)。

Q2. 無料版ではどこまで使えますか。 A. 2026年6月時点のGoogle公式情報では、無料版はノートブック100冊、1ノートブックあたりソース50件、1日のチャット50回、音声概要1日3回までです。これらの数値は改定されることがあるため、公式サポートページで最新値を確認してください。まずは無料版で試し、上限に届くようなら有料プランを検討する流れが現実的です。

Q3. 音声概要は教材の一部分だけを対象にできますか。 A. できます。左側のソース一覧で、対象にしたい教材だけにチェックを入れ、ほかのチェックを外してから音声概要を生成します。さらに生成前のカスタマイズ欄に「この単元の重要ポイントだけ」と指示すると、苦手分野に絞った音声を作れます。

Q4. 日本語の教材でも使えますか。 A. 使えます。日本語のPDFやドキュメントを読ませて、日本語で要約や質問ができます。音声概要も日本語に対応しているため、日本語の教材を音声で聞くことも可能です。

Q5. 回答の内容は正確だと考えてよいですか。 A. NotebookLMは読み込んだ教材を根拠に答えますが、誤りが含まれる可能性はあります。資格勉強では、回答に付く引用番号から元のテキストを確認し、重要な論点は必ず公式の出題範囲や主教材で裏取りしてください。

Q6. 機密資料を読ませても大丈夫ですか。 A. 取り扱いは、勤務先のルールと利用プランの規約に従う前提です。会社の機密情報を扱う場合は、社内のセキュリティ方針や管理者の指示を確認してから利用しましょう。判断に迷うときは個人の資料から試すのが安全です。

まとめ

  • NotebookLMは、自分の教材だけを根拠に要約・Q&A・音声化を行うGoogleのAIリサーチツールで、資格勉強・学び直しと相性がよいです。
  • 使い方の基本は、試験ごとに1冊のノートブックを作り、テキストや過去問などのソースを追加することです。
  • 苦手な単元を音声概要にしてスマホで聞けば、通勤中の「ながら復習」で勉強を継続しやすくなります。
  • 料金は無料版から始められ、無料版でも音声概要を1日3回作れます。必要に応じてPlusやProで上限を広げられます(2026年6月時点・Google公式サポート)。