「マーケの仕事でChatGPTを使いたいけれど、結局どんな指示を出せばいいのか分からない」という声をよく聞きます。広告コピー、SNS投稿、メルマガ、分析と業務は幅広く、汎用的な使い方の記事だけでは現場に落とし込みにくいのが実情です。
本記事では、マーケ担当者がすぐコピペで使える業務別プロンプト10選を、それぞれ出力イメージ付きで公開します。さらに、プロンプト数で張り合う記事とは違う独自の切り口として、よくある失敗(NG出力→直し方)と、景表法に触れるコピーのNG/OK実例もまとめました。
結論を先に書くと、ChatGPTが効くのは 「草案づくりと量出し」 です。最終的な数字の根拠やブランドの言葉づかいは、人間が必ず仕上げる前提で使うと失敗しません。
※本記事は2026年5月時点のChatGPTの仕様に基づきます。ケーススタディは編集部が複数事例から構成した想定ペルソナで、特定の個人の発言ではありません。最新の料金・機能はOpenAI公式(https://chatgpt.com/pricing/ )でご確認ください。
マーケ業務でChatGPTはどこまで使えるのか?
結論として、「言葉を作る・整理する作業」では大きく効き、「数値の根拠づけと最終判断」は人間が担う という分担になります。
マーケの仕事を分解すると、広告コピー、SNS投稿文、メルマガ、ペルソナの言語化、アンケート設計、競合の特徴整理など「文章を書く・たたき台を量で出す・要約する」作業がかなりの割合を占めます。これらはChatGPTが得意な領域です。
一方で、「この施策に予算をいくら振るか」「この数字を広告で断定してよいか」といった判断は人間の領域です。ChatGPTは事実を作り出してしまうこと(ハルシネーション)があるため、統計や効果の数値は必ず一次情報で裏取りします(参考:https://www.glbgpt.com/jp/hub/chatgpt-commercial-use-2026/ )。
ケーススタディ:30代マーケ担当のEさんの場合、バナー用コピーを20案出す作業が90分前後でしたが、プロンプト型を整えたことで20〜30分で候補が出そろうようになったとのことです。短縮幅は商材や承認フローによって変わります。
広告コピーはどんなプロンプトで量産できるのか?
結論として、「商品・ターゲット・訴求軸・禁止表現」の4点を渡すと、使える候補の打率が上がります。
広告コピーは「数を出して、選んで、磨く」工程です。ChatGPTは量出しが得意なので、まず候補を広げる役割を任せます。出てきた案は、最後に人間がブランドの言葉で削って整えます。
プロンプト1:バナー広告コピーの量産
あなたはBtoC向けの広告コピーライターです。
商品:[商品名・特徴を3行]
ターゲット:[年代・性別・悩み]
訴求軸:[価格/品質/時短 など]
禁止表現:効果の断定、最上級表現(業界No.1など根拠が必要なもの)
上記をもとに、15文字以内のバナー見出しを10案、語調を変えて出してください。
各案に「なぜ刺さるか」を一言添えてください。
出力イメージ(一部)
1. 朝5分で、肌が変わる / 時短×効果実感を1行で訴求
2. 続く人の、新習慣 / 継続のハードルの低さを示唆
3. もう、迷わない / 選ぶ手間からの解放を訴求
…(以下、語調違いで計10案)
このように、案ごとに「狙い」が付くので採用判断が速くなります。なお「肌が変わる」のような効果を示す表現は、商材によっては景表法・薬機法に触れるため、後述のNG/OK実例で必ずチェックします。
プロンプト2:検索広告の見出し・説明文
リスティング広告の見出し(半角30字相当)を8案、説明文(90字相当)を3案作ってください。
商品:[商品名]/検索キーワード:[想定KW]
含めたい要素:[ベネフィット]/含めない要素:[誇大表現]
出力イメージ(一部)
【見出し案】
・[商品名]|初月無料ではじめる
・忙しい人の[ベネフィット]
【説明文案】
・登録は最短3分。[ベネフィット]を、あなたのペースで。まずは無料でお試しください。
注意点として、効果や数値を含む表現は景品表示法・薬機法に触れやすいため、根拠のない断定はそのまま使わないようにします(参考:https://aismiley.co.jp/ai_news/chatgpt-risk-and-point/ )。
SNS投稿はChatGPTでどう作ると効率がいいのか?
結論として、「1本の素材を媒体別に展開させる」使い方が一番ラクで効果的です。
SNSは媒体ごとに文字数も空気感も違います。毎回ゼロから書くと時間がかかるので、骨子を1つ作り、媒体別に書き換えてもらう流れが効率的です。
プロンプト3:1素材を3媒体に展開
次の素材をもとに、3媒体の投稿文を作ってください。
素材:[伝えたい内容を3行]
- X(旧Twitter):120字程度、リンク前提、絵文字なし
- Instagram:体験談トーン、改行多め、行動を1つ促す
- LinkedIn:です・ます調、ビジネス文脈で価値を補足
ハッシュタグは付けず、各媒体のトーンに合わせてください。
出力イメージ(一部)
【X】新機能を出しました。○○がワンタップで完了します。詳しくは↓
【Instagram】「これ、もっと早く知りたかった…」/ 実は○○、今までより半分の手間で /
気になる方はプロフィールのリンクから見てみてください。
【LinkedIn】業務効率化の観点で、○○の自動化は…(ビジネス文脈で価値を補足)
プロンプト4:投稿カレンダーのネタ出し
[商材]のSNSアカウント向けに、1か月分(週3回)の投稿テーマ案を出してください。
内訳:お役立ち情報5割、商品紹介2割、中の人・舞台裏3割。
各テーマに「投稿の狙い」と「冒頭1文の案」を添えてください。
出力イメージ(一部)
第1週(月)|お役立ち:○○の選び方3つ /狙い:保存喚起 /冒頭:「迷ったらココを見て」
第1週(水)|舞台裏:開発の裏話 /狙い:親近感 /冒頭:「実はこの機能、こんな失敗から…」
第1週(金)|商品紹介:新プラン /狙い:検討促進 /冒頭:「価格そのまま、できることが増えました」
注意点として、生成文に他社の商標やキャッチコピーが紛れ込むことがあるため、公開前に固有名詞をチェックします。媒体の利用規約や絵文字の方針は自社ルールに合わせて指示すると、修正の手間が減ります。
メルマガとペルソナ設計はどう任せるのがいいのか?
結論として、メルマガは「件名の量出し」、ペルソナは「仮説の言語化」をChatGPTに任せると速くなります。
メルマガは件名で開封率が大きく変わります。件名だけ大量に出させて選ぶと、書き出しの負担が減ります。ペルソナは社内の感覚をAIに言語化させ、人間が事実で補正する流れが向いています。
プロンプト5:メルマガ件名の量出し
[商材/配信目的]のメルマガ件名を15案出してください。
全角25字以内、ベネフィットを前半に置く、煽りすぎない、絵文字なし。
案ごとに想定する開封のフック(限定/お得/共感 など)を分類してください。
出力イメージ(一部)
1.【共感】「あと一歩」が続かない人へ
2.【お得】今週だけ、いつもの作業が半分に
3.【限定】登録者だけに先行のお知らせ
…(計15案、フック分類つき)
プロンプト6:メルマガ本文の骨子
上で選んだ件名「[件名]」に合うメルマガ本文の骨子を作ってください。
構成:冒頭の共感→課題→解決策→具体例→CTA(1つ)。
語調:です・ます調、1文は短め。全体600字程度の草案にしてください。
プロンプト7:ペルソナ設計の言語化
[商材]の代表的な見込み客像を、ペルソナとして1人ぶん言語化してください。
項目:年代/職業/一日の流れ/抱える悩み/情報収集の場所/購入の決め手/購入をためらう理由。
最後に「このペルソナに響く訴求軸を3つ」挙げてください。
出力イメージ(一部)
36歳・営業職/平日は外回り中心、移動中にスマホで情報収集
悩み:時間がなく、新しいツールを試す余裕がない
決め手:導入が簡単で、すぐ効果が見えること
ためらい:定着するか不安/社内の承認が面倒
響く訴求軸:①時短 ②導入の手軽さ ③無料で試せる安心感
注意点として、ペルソナの数値(年収・利用率など)はAIが埋めた仮の値です。実データやアンケート結果で必ず上書きしてください。
データ分析とアンケート設計はChatGPTで助かるのか?
結論として、「数字を読む補助」と「設問づくり」で助かりますが、計算そのものは検証が必要です。
ChatGPTは数表の傾向を言葉にしたり、改善仮説を出したりするのが得意です。ただし手元の計算をそのまま信用せず、元データで確認します。データ分析機能(旧Advanced Data Analysis)を使う場合も、出力されたグラフの数値は突き合わせます。
プロンプト8:数値の傾向と仮説出し
次のデータの傾向を3つの観点で言葉にし、改善仮説を3つ出してください。
データ:[期間・指標・数値を貼り付け]
観点:伸びた要因/落ちた要因/次に試すべき施策。
仮説には「検証方法」も一言添えてください。
出力イメージ(一部)
傾向:①直近2週でCVRが微増 ②流入は横ばい ③直帰率が高止まり
仮説1:LP冒頭の訴求がズレている可能性→ファーストビューのABテストで検証
仮説2:スマホ表示が崩れている可能性→デバイス別の離脱率で検証
※数値はあなたの貼り付け値を要再確認
プロンプト9:アンケート設問の設計
[調査目的]のための顧客アンケート設問を作ってください。
構成:属性3問/満足度5段階3問/自由記述2問。
誘導的な聞き方を避け、回答者が3分で終わる分量にしてください。
注意点として、社内の数値や顧客データを貼る場合は、個人情報や機密が含まれていないか確認します。法人で安全に使うなら、入力内容を学習に使わない設定ができるChatGPT Business以上の利用が前提です。
競合調査でChatGPTを使うときの落とし穴は?
結論として、便利な一方で「事実の作り話」が最も出やすい領域なので、出力は出発点として扱います。
競合の特徴整理や、自社の強みの言語化にはChatGPTが役立ちます。ただし、競合の価格や実績、最新の動向は誤りが混じりやすい部分です。固有名詞や数字は必ず公式サイトで確認します。
プロンプト10:競合比較の観点出し
[自社商材]と競合を比較するための観点を10個挙げてください。
観点:価格/機能/サポート/導入実績/ブランドイメージ など。
各観点について「顧客が重視する理由」を一言添えてください。
※具体的な企業名や数値は私が後で公式情報を埋めます。
出力イメージ(一部)
1. 価格:月額の総額が予算内かを最優先で見るため
2. サポート:導入後つまずいた時にすぐ頼れるかが定着を左右するため
3. 導入実績:同業種の事例があると稟議を通しやすいため
…(観点のみ。企業名・数値の欄は空のまま)
このプロンプトのコツは、企業名や数値をAIに埋めさせない ことです。観点の枠だけ作らせ、中身は人間が一次情報で埋めると、誤情報の混入を防げます。競合を名指しで批判する表現は、AI利用の有無に関わらずコンプライアンス上のリスクになるため避けます(参考:https://www.shopowner-support.net/glossary/generative-ai-marketing/chat-gpt/ )。
ChatGPTのマーケ出力でよくある失敗(NG出力→直し方)
ここからが、プロンプト数を競う記事にはない独自の中身です。ChatGPTは「それっぽい出力」を返すのが上手いぶん、そのまま使うと事故るパターンが決まっています。代表的な4つを「NG出力→直し方」でまとめます。
失敗1:効果を断定してしまう
- NG出力:「飲むだけで2週間で-3kg、誰でも痩せる新習慣」
- なぜダメか:効果の断定・誇大表現は景表法・薬機法に触れます。AIは商材の規制を知らずに書きます。
- 直し方:プロンプトの禁止表現に「断定・最上級・効果の保証を禁止」と明記し、出てきた案も人間が個人差や根拠の有無で言い換える。
失敗2:他社のコピーや商標が紛れ込む
- NG出力:有名ブランドの実在キャッチコピーや商標がそのまま出力に混入。
- なぜダメか:そのまま使うと権利侵害や誤認のリスクがあります。
- 直し方:公開前に固有名詞・キャッチコピーを検索して既存表現と一致しないか確認。プロンプトに「実在の商標・他社コピーは使わない」と指定する。
失敗3:数値を勝手に作る(ハルシネーション)
- NG出力:「市場規模は前年比180%成長」など、出典のない数字を断定で提示。
- なぜダメか:根拠のない数字を資料に載せると信頼を損ない、場合によっては景表法上の問題にもなります。
- 直し方:数字を含む文には必ず「出典を併記、無ければ空欄」と指示し、官公庁・公式・自社実データで裏取りしてから載せる。
失敗4:トーンが媒体や読者とズレる
- NG出力:BtoBのLinkedIn投稿が、若年層向けのくだけた絵文字だらけの文体になる。
- なぜダメか:ブランドの印象を損ない、刺さらない投稿になります。
- 直し方:プロンプトに「語調・使ってよい言葉・使わない言葉・例文」を入れ、よく使うならBusiness以上のカスタムGPTにトンマナを登録して全員の出力をそろえる。
失敗の多くは「AIが規制と自社ルールを知らない」ことが原因です。プロンプトに条件を足し、最後に人間が確認する2段構えで、ほとんどの事故は防げます。
景表法に触れる広告コピーのNG/OK実例
広告コピーは、ChatGPTで量産するほど景品表示法(とくに優良誤認・有利誤認)や薬機法に触れる表現が混ざりやすくなります。よく出るパターンをNG/OKの言い換えで整理します。商材ごとに判断が変わるため、最終的には消費者庁の景表法の解説(https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/ )も確認してください。
① 効果の断定(薬機法・優良誤認)
- NG:「シミが消える」「飲めば必ず痩せる」
- OK:「使い続けた方の声を紹介します」「あなたの習慣づくりをサポート」
- ポイント:効能効果を断定せず、個人の感想や用途の説明にとどめる。
② 根拠のない最上級(優良誤認)
- NG:「業界No.1」「日本一売れている」
- OK:「○○調査で満足度1位(2026年・自社調べ)」のように出典と条件を明記
- ポイント:No.1表現は調査主体・対象・時期の根拠が必須。根拠が出せないなら使わない。
③ 二重価格・お得感の誇張(有利誤認)
- NG:「通常価格の9割引」(実際にその通常価格で販売実績がない)
- OK:「期間限定◯◯円(通常◯◯円・◯月◯日までの販売実績あり)」
- ポイント:比較対象の価格に販売実績がないと有利誤認になり得る。
④ 体験談・口コミの装い(優良誤認)
- NG:実在しない利用者の声をAIに創作させて「お客様の声」として掲載
- OK:実際に取得した感想を本人同意のうえ掲載し、効果には個人差がある旨を併記
- ポイント:AIが作った「お客様の声」は事実無根の表示にあたる。創作させない。
ChatGPTのプロンプトに「景表法・薬機法に触れる断定/最上級/誇大表現を避ける」と一文入れるだけでも、NG案の混入はかなり減ります。それでも判断が難しいコピーは、法務や専門家のチェックを通すのが安全です。
安全に使うためのプラン選びと注意点は?
結論として、個人練習なら無料版やPlus、業務データを扱うならBusiness以上 が目安です。
ChatGPTは2026年5月時点で、Free(0円)、Go、Plus(月20ドル)、Pro、Business(1人あたり月25ドル)、Enterpriseのプランがあります。2026年4月23日にはGPT-5.5が上位モデルとして提供され、Plus以上で使えます(出典:https://chatgpt.com/pricing/ )。
業務で使う際の注意は3点に集約されます。ひとつは ファクト確認 で、数値・効果・競合情報は一次情報で裏取りします。ふたつめは 著作権 で、他社の記事や書籍を広範囲に貼り付けて要約・流用しないことです。みっつめは トンマナ で、ブランドの言葉づかいに合うよう最後は人間が整えます。
マーケのプロンプト力をさらに伸ばしたい方は、プロンプトエンジニアリング入門で型の作り方を、ChatGPT無料版と有料版の違いでプラン選びを確認すると、自分の業務に合った11個目以降のプロンプトを作れるようになります。
マーケのChatGPT活用でよくある質問
Q1. 無料版でも広告コピーやSNS投稿は作れますか?
作れます。コピーの量出しや投稿文の展開は無料版でも十分実用的です。ただし、社内の顧客データや非公開資料を扱うなら、入力を学習に使わない設定ができるBusiness以上をおすすめします。
Q2. ChatGPTが作ったコピーをそのまま広告に使ってよいですか?
そのままの使用は避けるのが安全です。生成物の権利関係は議論が続いており、商標や他社コピーが紛れ込む場合もあります。固有名詞と効果表現を必ず確認し、本記事の景表法NG/OK実例も照らし合わせて、人間が仕上げてから公開してください。
Q3. 数値や統計をマーケ資料に使うとき、どこまで信じてよいですか?
ChatGPTの数値は仮の値と考えてください。ハルシネーションが起きやすい部分なので、官公庁・公式サイト・自社の実データで必ず裏取りします。出典のない数字は資料に載せないのが原則です。
Q4. ブランドのトーンに合った文章を毎回出すコツはありますか?
「語調」「使ってよい言葉」「使わない言葉」「例文」をプロンプトに含めると安定します。よく使う場合は、Business以上で共有できるカスタムGPTにトンマナを登録すると、チーム全員の出力がそろいます。
Q5. 競合調査はChatGPTだけで完結できますか?
完結はできません。観点出しや特徴の整理までは任せられますが、価格・実績・最新動向は誤りが混じりやすい領域です。具体的な数字や企業名は公式情報で確認し、AIには枠組み作りを任せる使い分けが安全です。
まとめ
- マーケ業務はコピー・SNS・メルマガ・ペルソナ・分析など「言葉を作る・整理する」作業が多く、ChatGPTで草案づくりと量出しを大きく短縮できる
- 本記事の業務別プロンプト10選は、商品・ターゲット・禁止表現などの条件を渡す型にし、出力イメージを見ながら使うと打率が上がる
- 数で張り合うより、よくある失敗(NG出力→直し方)と景表法のNG/OK実例を押さえることが、現場で事故らない近道
- 数値・効果・競合情報のファクト確認は必須で、著作権とトンマナは人間が担う。機密データは学習オフ設定ができるChatGPT Business以上で扱う