英検準1級やTOEIC Writingのライティング対策でいちばん困るのは、書いた英文が本番で何点になるのか自分では分からないことです。先生に毎回採点してもらうのは現実的ではありません。そこで役立つのが、ChatGPTに各試験の採点官の役割を与えて、英作文を点数つきで添削させる方法です。
ただ「直して」と頼むだけでは、きれいな模範解答が返ってくるだけで力は伸びません。大事なのは、試験の採点観点に沿って「何点か」を出させ、その点が低い観点を次の1本で潰していく流れを作ることです。
この記事では、英検・TOEICのライティングをChatGPTに採点・添削させるプロンプトを、級・形式ごとにコピペで使える形で紹介します。編集部で英検準1級とTOEIC W&Tを受験予定のAさん(30代会社員)の使い方も交えて解説します。
※本記事のケーススタディは編集部が複数事例から構成した想定ペルソナです。
ツールは2026年5月時点のChatGPT無料版(GPT-5.3 Instant)で動作を確認しています。
まず使いたい「100点満点で採点させる」プロンプト
最初に、いちばん使う採点プロンプトを載せます。級や形式を問わず、書いた英作文をざっくり点数化して弱点を出したいときの万能型です。下のテンプレートをコピーし、最後に自分の英文を貼り付けてください。
あなたは英語試験の採点官です。次の英作文を100点満点で採点・添削してください。
【出力してほしい形式】
1. 総合点(100点満点)と一言コメント
2. 「内容・構成・語彙・文法」の4観点をそれぞれ25点満点で採点し、減点理由を日本語で
3. 修正前と修正後を文ごとに左右で並べ、各修正に「なぜ直したか」を一言
4. もっと点を上げるための具体的な改善を3つ、優先度順に
【私の英作文】
(ここに貼り付け)
このプロンプトの利点は、点数が出ることで「次にどこを直せば伸びるか」が一目で分かる点です。「文法は20点だが構成が12点」のように観点ごとに数字が出ると、優先順位がはっきりします。
点数はあくまで目安ですが、自分の英作文を毎回同じ基準で比べられるので、伸びを実感しやすくなります。点数の信頼度については記事の後半で詳しく触れます。まずは「採点させてみる」ことから始めるのが、いちばん手応えのある使い方です。
なぜ「直して」だけでは伸びないのか?
結論から言うと、修正後の英文だけ見ても、自分の弱点が見えないからです。
ChatGPTに「この英作文を直して」とだけ送ると、きれいな英文が一発で返ってきます。読むと納得しますが、どこが・なぜ間違っていたのかが残りません。次に書くときも同じ誤りを繰り返します。
英作文の添削で本当に欲しいのは、完成形ではありません。「自分のどの癖が減点につながるか」という情報です。だからこそ、前章のように点数化させ、修正前と修正後を並べ、理由を一言添えてもらう形が効きます。
もう一つ大切なのが、採点観点の指定です。英検なら内容・構成・語彙・文法、TOEICなら形式ごとの観点に沿わせると、添削が試験の評価軸とそろいます。次の章から、級・形式ごとの採点プロンプトを具体的に見ていきます。
ChatGPTに英検準1級ライティングを採点させるプロンプト
英検準1級のライティングは、内容・構成・語彙・文法の4観点で採点されます。各観点が0〜4点、合計16点満点という仕組みです(出典:日本英語検定協会 ライティングテストの採点に関する観点および注意点(1級・準1級・2級))。
まず、本番の採点ルーブリック(観点別の点数基準)を頭に入れておくと、ChatGPTの添削を「本番ならどう響くか」で読めるようになります。準1級の各観点を、点数の目安として表にまとめました。
| 観点 | 0〜1点(要改善) | 2点(あと一歩) | 3〜4点(合格圏) |
|---|---|---|---|
| 内容 | 設問に答えていない/話がそれる | 主張はあるが理由が薄い | 主張+理由2つが具体的で課題に正対 |
| 構成 | 段落がなく流れが不明瞭 | 接続語が乏しく根拠の順が曖昧 | 序論→理由→結論が接続語で明確 |
| 語彙 | 同じ単語の繰り返し・基本語のみ | 一部だけ言い換えできている | 文脈に合う多様な語彙を正確に使用 |
| 文法 | 主述の不一致・時制の誤りが頻発 | 単純な文型が中心で誤りが残る | 複文・関係詞など多様な文型を正確に |
※この表は公式の観点説明をもとに編集部が学習用に整理した目安です。実際の採点は協会の基準に従います。
得点の換算もイメージしておきましょう。準1級のライティングは16点満点で、英検CSEスコアに換算されます。観点でいうと、内容と構成で合計5点(4+4の半分強)しか取れていない解答は、文法がきれいでも合格圏には届きにくい、というのが目安です。逆に内容3・構成3・語彙2・文法2の合計10点あたりが、合格答案の一つのラインになります。だからこそ、点が伸び悩む人ほど「文法より先に内容・構成」を上げるのが近道です。
この本番の配点をそのままプロンプトに入れると、AIの採点が実際の評価軸とそろいます。準1級の意見論述に使える型が下記です。
あなたは英検準1級ライティングの採点官です。次の英作文を本番と同じ基準で採点・添削してください。
【採点観点】内容・構成・語彙・文法の4観点
【配点】各観点0〜4点、合計16点満点
【出力形式】
1. 4観点それぞれを4点満点で採点し、減点理由を日本語で
2. 16点満点での合計点
3. 修正後の模範英文(準1級相応の語彙・長さに収める)
4. もっと評価が上がる接続表現・語彙を3つ提案
5. 語数が課題の指定範囲に収まっているかの確認
【級】準1級/意見論述
【トピック】(課題文を貼り付け)
【私の解答】(英作文を貼り付け)
ポイントは、級とトピックを明示することです。級を伝えないと語彙のレベル感がずれ、本番では使わないような難しい単語に直されることがあります。準1級なら準1級と必ず指定してください。
なお英検は、課題に示された問いの答えになっていない解答や、関係のない内容と判断された場合、すべての観点で0点になることがあります。添削のとき「設問にちゃんと答えられているか」も最初に確認させると安全です。
編集部のAさんは、4観点の採点だけを先に出させ、いちばん点が低い観点を1つ選んで書き直すという使い方をしていました。全部を一度に直すより、弱い観点を1つずつ潰すほうが定着が早いそうです。1級や2級でも、配点を級に合わせて書き換えれば同じ型が使えます。
英検準1級の添削ビフォーアフター例
実際にChatGPTが返した修正のイメージを、修正前→修正後で見てみます。準1級で「在宅勤務は今後さらに広がると思うか」というトピックに答えた一文の例です(編集部が作成した想定の英文です)。
- 修正前:
I think remote work is good. Many people like it because it is convenient. - 修正後:
I believe remote work will continue to spread, mainly for two reasons. First, it allows employees to save commuting time, which improves their work-life balance. - なぜ直したか:
goodlikeconvenientのような基本語が並び、語彙2点・内容2点どまり。主張をwill continue to spreadと言い切り、理由をFirst,で具体化したことで、内容と構成がそれぞれ3点圏に上がります。
このように「点の低い観点が、どの一文のどの語で減点されたか」まで見えると、次の1本で同じ癖を避けられます。プロンプトに「減点した語句を引用して理由を付けて」と一言足すと、ビフォーアフターがさらに具体的になります。
ChatGPTにTOEIC WritingのEメール作成を添削させるプロンプト
TOEIC Speaking & Writing TestsのWritingは、写真描写(Q1〜5)・Eメール作成(Q6〜7)・意見記述(Q8)の3形式で構成されます。形式ごとに採点スケールが異なる仕組みです(出典:IIBC TOEIC S&W 採点について)。
形式ごとのスケールを整理すると下表のようになります。プロンプトでこのスケールを指定すると、ChatGPTの採点が本番の評価軸とそろいます。
| 形式 | 設問 | 採点スケール | 評価の中心 |
|---|---|---|---|
| 写真描写 | Q1〜5 | 0〜3点 | 指定2語を正しく使い、写真を表す1文が書けているか |
| Eメール作成 | Q6〜7 | 0〜4点 | 指示された条件にもれなく応答し、目的に合った内容か |
| 意見記述 | Q8 | 0〜5点 | 論理構成・具体例・語彙・文法の総合力 |
※スケールは公式情報をもとに整理した目安です。最終スコアは各スケールの合計に統計処理を施し、0〜200点に換算されます。
形式によって求められる力が違うため、プロンプトも形式ごとに分けます。まずはEメール作成です。Eメール問題は、指示された条件にもれなく応答できているかが採点の中心になります。
あなたはTOEIC WritingのEメール作成問題の採点者です。次の解答を採点・添削してください。
【確認してほしい点】
1. 指示された要素にすべて応答できているか(応答漏れを最優先で指摘)
2. ビジネスメールとして自然な丁寧さか
3. 文法・語彙の誤り(修正前後を並べる)
【出力】
- 0〜4点のスケールでの採点と減点理由
- 減点ポイントを優先度順に
- 最後に修正版メールの全文
【メールの指示文】(貼り付け)
【私の解答】(貼り付け)
Eメール形式では「条件への応答漏れ」が最も多い減点です。まず応答漏れだけをチェックさせ、その後に文法を直すと効率よく改善できます。たとえば「相手の依頼を断りつつ代替案を1つ提案せよ」という指示に対し、断りだけ書いて代替案を出し忘れると、英文がどれだけ正確でも応答漏れで大きく減点されます。ChatGPTにはまず「指示の要素を箇条書きで列挙し、解答が各要素を満たすか○×で」と頼むと、漏れが一目で分かります。
ChatGPTにTOEIC Writingの意見記述を添削させるプロンプト
意見記述(Q8)は、300語以上で論理性が問われ、0〜5のスケールで採点されます。論理構成と説得力が点を分けるため、プロンプトでもそこを重点的に見させます。観点別の目安は次の通りです。
| スケール | 状態の目安 |
|---|---|
| 0〜2点 | 主張が一貫せず、理由や具体例が不足。語数も足りない |
| 3点 | 主張と理由はあるが、具体例が弱く文法ミスも残る |
| 4点 | 序論・本論・結論がそろい、具体例も妥当。誤りは少数 |
| 5点 | 論理が明快で説得力があり、語彙・文法ともに安定 |
※公式のスコアレンジ別評価をもとに編集部が整理した目安です。
あなたはTOEIC Writingの意見記述問題の採点者です。次の解答を採点・添削してください。
【観点】論理構成・具体例の説得力・語彙の幅・文法の正確さ
【配点】0〜5点のスケールで採点
【出力】
1. 5点満点での採点と、観点ごとの強み・弱みを日本語で
2. 序論・本論・結論の流れが弱い箇所を指摘
3. 同じ主張をより力強くする言い換えを2つ
4. 語数が300語以上あるかの確認
5. 修正版の全文
【トピック】(貼り付け)
【私の解答】(貼り付け)
意見記述では、語数不足と結論の弱さが減点に直結します。最初に「語数」と「結論が主張を言い切れているか」をチェックさせると、本番で崩れにくい型が身につきます。写真描写(Q1〜5)も、指定された2語を正しく使えているかを同じ要領で確認させられます。
TOEIC意見記述の添削ビフォーアフター例
スケール3点どまりの結論文を、ChatGPTが4点圏に引き上げた例です(編集部が作成した想定の英文です)。
- 修正前:
So I think working from home is better for everyone. - 修正後:
For these reasons, I firmly believe that remote work benefits both employees and companies, as it raises productivity while reducing operating costs. - なぜ直したか:
So I think ... better for everyone.は主張を繰り返しただけで、本論の理由とつながっていません。For these reasons,で論を受け、employees and companiesと対象を絞り、raises productivity while reducing costsと本論の根拠を結論に回収したことで、構成と説得力が一段上がります。
意見記述は、序論で示した主張を結論でこう「言い切る」かどうかでスケールが分かれます。プロンプトに「結論が序論の主張と本論の理由をすべて回収しているか確認して」と足すと、この詰めまで添削させられます。
添削結果はどう学習に活かす?
採点・添削は受け取った時点では半分しか終わっていません。残り半分は「次に書くときに再現すること」です。
おすすめは、添削1回ごとに覚える表現を3つだけ選ぶことです。すべてを覚えようとすると消化不良になります。3つに絞り、ノートやメモアプリに「日本語→英語」で書き写します。
さらに効果的なのが、同じトピックでもう一度書き直す方法です。添削で得た表現を意識して書き直すと、知識が使える形に変わります。下のプロンプトで仕上げまで通せます。
さきほどの採点で出た改善点のうち、特に重要な3点だけ箇条書きにしてください。
そのあと、同じトピックで私がもう一度書き直すので、書き直した英文を
前回と同じ100点満点で採点し、「前回から何点上がったか」を教えてください。
Aさんは、週末に「今週覚えた表現リスト」を見返して、5分だけ音読していました。書いて直すだけでなく、声に出すと記憶への残り方が変わるそうです。点数が前回より上がるのを確認できると、続けるモチベーションにもつながります。
ChatGPT英作文添削の注意点は?
最大の注意点は、AIが出す点数や評価はあくまで目安だということです。
ChatGPTは本物の採点者ではありません。「準1級でCSEスコア何点」のような具体的な点数を聞いても、正確には予想できません。100点満点の点数も「だいたいの手応え」として受け取り、合否判断には使わないでください。点数そのものより、観点ごとの弱点指摘のほうが学習に役立ちます。
二つ目は、語彙や文法の説明が、ときどき不正確な場合があることです。文法ルールの根拠を聞いたときの説明は、必ず辞書や信頼できる文法書でも確認します。特に冠詞や前置詞の細かい使い分けは、AIの説明がぶれやすい領域です。
三つ目は、自然すぎる英文に直されることです。試験では、自分の実力相応の語彙で書くことが前提です。難しい単語に総取り換えされた模範解答は、本番で再現できません。「自分が試験で書ける範囲で直して」と一言添えると、現実的な修正になります。
最後に、個人情報の扱いです。固有名詞や勤務先などは伏せて貼り付けると安心です。試験対策の英作文であれば、内容に個人情報が混じることは少ないですが、念のため確認する習慣をつけておきます。
英作文学習をもっと体系的に進めたい人は、オンライン英会話の添削課題と組み合わせる方法もあります。
ChatGPT英作文添削でよくある質問
Q1. 無料版のChatGPTでも英作文の採点・添削はできますか? はい、できます。2026年5月時点の無料版(GPT-5.3 Instant)でも、この記事の採点プロンプトは問題なく動きます。長文を何本も連続で添削すると利用制限に達することがあるため、混雑時は時間を空けて使うと安心です。
Q2. 英検の級を伝えないとどうなりますか? 語彙のレベル感がずれます。級を伝えないと、本番では使わないような難しい単語に直されることがあります。級と課題形式(意見論述か要約か)を必ず指定してください。
Q3. AIが出した100点満点の点数はどれくらい信じていいですか? 手応えの目安として使ってください。ChatGPTは正式な採点者ではないので、CSEスコアやTOEICのスコアのような具体的な数値は正確に予想できません。同じ基準で前回と比べる「相対的な伸びの確認」に使うのがおすすめです。
Q4. 添削された英文をそのまま暗記すれば点は上がりますか? 丸暗記はおすすめしません。試験では初見のトピックが出るため、暗記した文をそのまま使える場面は限られます。覚えるのは「使い回せる接続表現や言い換え」に絞るほうが効果的です。
Q5. 1日に何本くらい添削するのが効果的ですか? 本数より、1本を深く活かすほうが伸びます。1日1本でも、覚える表現を3つ選んで書き直すサイクルを回せば十分です。たくさん採点して放置するより、少なく書いて確実に直すほうが定着します。
まとめ
- まずはChatGPTに採点官の役割を与え、100点満点で点数化させると、次に直すべき観点が一目で分かります。
- 英検は内容・構成・語彙・文法の4観点×4点(16点満点)、TOEICは形式ごとのスケールを指定すると、添削が本番の評価軸とそろいます。
- 英検準1級・TOEIC Writing(Eメール/意見記述)の採点プロンプトはそのままコピペで使えます。級や形式に合わせて配点だけ書き換えてください。
- AIの点数は目安。合否判断には使わず、観点別の弱点指摘と「前回からの伸び」の確認に活かすのが効果的です。