英検(実用英語技能検定)の一次試験は通ったのに、二次試験(面接形式のスピーキングテスト)の対策相手が見つからない、という悩みは多くの人が抱えています。実際、面接委員役を頼める相手は身近にそういません。ここでChatGPT(チャットGPT、対話型AI)の音声モードを使うと、本番の流れをそのまま再現した模擬面接を自宅で何度でも回せます。本記事では、準1級・2級それぞれの公式形式に沿った進行プロンプト・採点プロンプト・言い換え練習を、出力例つきで整理します。

※本記事のケーススタディは編集部が複数の受験者像から構成した想定ペルソナです。スコアや合否は個人差が大きく、本記事の数値はあくまで「練習の進め方の参考例」です。試験形式・日程は2026年時点の情報で、受験前に必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。

結論を先に書くと、ChatGPTの音声モードを「英検二次の面接委員」役に固定し、本番の流れどおりに進行 → 終わったら採点プロンプトで評価観点別フィードバック → 弱点を言い換え練習で潰す、の3ステップで進めるのが効率的です。

11月の二次試験(2026年度第2回はA日程11月8日/B日程11月15日。出典:https://www.eiken.or.jp/eiken/schedule/2026-examinee.html )に向け、直前2週間でも回せる構成にしています。

ChatGPTで英検二次の面接練習はできるのか?

結論として、音声モードを面接委員役に設定すれば、入室から退室までの流れを本番に近い形で再現できます。準1級・2級ともに、流れ・質問数・時間配分を指示すればChatGPT側がその通りに進行してくれます。

なぜAIが二次対策に向くのか

二次試験で一番のネックは「英語で即答する相手がいない」ことです。ChatGPTの音声モードなら、質問の読み上げから追加質問まで英語で対応し、こちらの回答にも英語で反応します。

向いている理由は3つです。

  • 24時間いつでも、本番の流れを丸ごと再現できる
  • 何度間違えても気まずさがなく、繰り返せる
  • 終わった直後に評価観点別のフィードバックを出せる

音声入力の設定がまだの場合は、iPhoneのChatGPT音声入力で英会話する設定を先に済ませておくと、本記事のプロンプトをそのまま声で回せます。

AIに任せきれない部分もある

ただし注意点が1つあります。ChatGPTは公式の採点基準そのものではないため、スコアは目安です。本番の評価観点は公式(https://www.eiken.or.jp/eiken/exam/grade_p1/solutions.html )で確認し、AIはあくまで練習相手と位置づけてください。

発音の精密チェックを別でやりたい場合は、ChatGPTで発音矯正は効くのか試した記録も合わせてどうぞ。

英検二次試験(準1級・2級)の本番の流れは?

結論として、準1級は4コマナレーション+質問4問で約8分、2級は音読+質問4問で約7分です。まずこの流れをプロンプトに正確に書き写すことが、本番再現の前提になります。

準1級の流れ(約8分)

公式によると、準1級の二次は次の順で進みます(出典:https://www.eiken.or.jp/eiken/exam/grade_p1/solutions.html )。

  1. 入室・面接カード提出・着席・氏名と級の確認
  2. 問題カードを受け取る
  3. ナレーション(4コマのイラストの展開を説明):考慮時間1分→実施2分
  4. No.1:ナレーションに関連した質問
  5. No.2〜3:カードのトピックに関連した質問
  6. No.4:社会性のある内容についての質問

2級の流れ(約7分)

2級は音読から始まります(出典:https://www.eiken.or.jp/eiken/exam/grade_2/https://eigonotomo.com/eiken/2kyuu_sp2 )。

  1. 入室・着席・氏名と級の確認
  2. 問題カードを受け取る(パッセージとイラスト)
  3. 音読:20秒の準備→60語程度の英文を音読
  4. No.1:パッセージの内容についての質問
  5. No.2:イラスト(3コマ)の展開を説明(20秒の準備)
  6. No.3〜4:トピックや日常の事柄に関する自分の意見

級ごとの違いを一覧で

本番をプロンプトに落とす前に、級差を表で押さえます。

項目 2級 準1級
面接時間 約7分 約8分
最初の課題 音読(60語程度) 4コマナレーション
イラスト 3コマ説明 4コマナレーション(考慮1分・実施2分)
質問数 4問 4問
社会性の質問 一部あり No.4で出題

(出典:準1級 https://www.eiken.or.jp/eiken/exam/grade_p1/solutions.html /2級 https://www.eiken.or.jp/eiken/exam/grade_2/

公式の「英検バーチャル二次試験」で入室から退室までの動画も確認できます(https://www.eiken.or.jp/eiken/exam/virtual/grade_p1/ )。

模擬面接を進める実プロンプトはどう書く?

結論として、「役割・級・流れ・時間・1問ずつ進める指示」の5点を最初に渡せば、ChatGPTが面接委員として本番どおりに進行します。以下はそのままコピペで使える進行プロンプトです。

準1級・模擬面接の進行プロンプト


あなたは英検準1級の二次試験の面接委員です。本番の流れを忠実に再現してください。
ルール:
1. すべて英語で進行する(説明や合いの手も英語)。
2. 私が "Hello." と言ったら、氏名と受験級を尋ねるところから始める。
3. 4コマのイラストの代わりに、あなたが社会性のあるトピックを1つ選び、
   4コマぶんの状況(起承転結)をテキストで簡潔に提示する。
4. ナレーションの考慮時間1分・実施2分の合図を入れる(実際の計測は私が行う)。
5. ナレーション後、No.1〜No.4の質問を「1問ずつ」出す。私が答えるまで次に進まない。
   - No.1:ナレーション関連
   - No.2〜3:カードのトピック関連
   - No.4:社会性のある内容
6. 私の英語の文法ミスをその場で指摘しない(本番同様、面接中は中断しない)。
最後の質問が終わったら "This is the end of the test." と言って終了する。
それでは私が "Hello." と言うまで待ってください。

このプロンプトを音声モードに渡すと、ChatGPTは次のように進行します。


(私)Hello.
(ChatGPT)Hello. May I have your name, please?
(私)My name is ...
(ChatGPT)Thank you. Are you ready? Now, here is your card.
   The topic is "remote work."
   Frame 1: A company announces that employees can work from home.
   Frame 2: ... (起承転結を4文で提示)
   You have one minute to prepare the narration. Please begin when you are ready.
(私)(2分でナレーション)
(ChatGPT)Thank you. Now I'll ask you four questions.
   No.1: ... (1問ずつ提示し、回答を待つ)

プロンプト設計の基礎は プロンプトエンジニアリング入門|業務別テンプレ4要素にまとめています。本番形式に近いロールプレイの作り方は ChatGPT英語ロールプレイ ビジネス10シーンが参考になります。

2級・模擬面接の進行プロンプト


あなたは英検2級の二次試験の面接委員です。本番の流れを再現してください。
ルール:
1. すべて英語で進行する。
2. 私が "Hello." と言ったら、氏名と受験級の確認から始める。
3. 60語程度のパッセージ(社会性のある身近な話題)を1つ提示し、
   "You have 20 seconds. Please read the passage aloud." と音読を促す。
4. その後 No.1〜No.4 を1問ずつ出す。
   - No.1:パッセージの内容についての質問
   - No.2:3コマのイラストの展開説明(状況を3文でテキスト提示し、20秒の準備を促す)
   - No.3〜4:トピックや日常の事柄についての自分の意見
5. 面接中は文法ミスを指摘しない。
最後に "This is the end of the test." で終了する。
私が "Hello." と言うまで待ってください。

2級は音読の発音・区切りも見られます。音読部分だけ別途チェックしたいときは、発音記事の手法と併用すると弱点が絞れます。

終わったあとの採点とフィードバックはどう受ける?

結論として、面接の音声ログを貼り、評価観点を明示して採点プロンプトを渡せば、観点別に弱点と改善例を出してくれます。本番の評価観点に沿わせるのがコツです。

評価観点に沿った採点プロンプト

公式の評価観点は、応答の内容・発音・語彙・文法・語法・情報量・積極的にコミュニケーションを図ろうとする意欲や態度(アティチュード)です(出典:準1級 https://www.eiken.or.jp/eiken/exam/grade_p1/solutions.html )。なお2級・準2級ではアティチュードに配点があるとされています(参考:https://www.fourskills.jp/eiken-speaking-grade2 )。これをそのまま採点軸に渡します。


今の模擬面接の私の回答を、英検準1級の評価観点で採点してください。
観点:①応答内容 ②発音 ③語彙 ④文法・語法 ⑤情報量 ⑥態度(積極性)
各観点を5段階で評価し、根拠を1行ずつ。
そのうえで「最も伸びしろのある1点」と、私の実際の発言を使った改善例(before→after)を3つ出してください。
最後に、次回の練習で意識すべきことを1文で。日本語で説明し、英語の改善例は英語のまま。

ChatGPTの出力は次のようになります。


【観点別評価】
① 応答内容:4/5 — 質問の趣旨に答えているが、No.4で理由が1つに留まった
② 発音:3/5 — "develop" の強勢位置が後ろにずれている
③ 語彙:3/5 — "I think" の反復が目立つ
④ 文法・語法:4/5 — 時制は安定。冠詞の抜けが2回
⑤ 情報量:3/5 — 結論は言えているが具体例が不足
⑥ 態度:4/5 — 沈黙が短く、積極性は良好

【最も伸びしろのある1点】情報量(具体例を1つ足すだけでスコアが上がりやすい)

【改善例 before → after】
1. before: I think it is good.
   after:  I think it is beneficial because it saves commuting time.
2. before: Many people use it.
   after:  Many office workers in their thirties now use it daily.
3. before: It is difficult.
   after:  It can be challenging, especially for people who live alone.

【次回意識すること】各回答の最後に「具体例を1つ」付け足す癖をつけましょう。

弱点を潰す言い換え練習プロンプト

採点で出た弱点(例:I think の反復)を、その場で言い換え練習に回します。


私は意見を述べるとき "I think" を多用しがちです。
英検二次で自然に使える「意見の言い出し表現」を、フォーマルさ順に8つ挙げてください。
各表現に、remote work をテーマにした例文を1つずつ添えてください。
表現は英語、解説は日本語で。

【意見の言い出し表現(フォーマル順)】
1. In my opinion, remote work improves productivity. — 最も無難
2. I believe (that) ... — I think より落ち着いた印象
3. From my point of view, ... — 視点を強調
4. It seems to me that ... — 断定を避けたいとき
5. As far as I'm concerned, ... — 「私に関して言えば」
6. I'd say (that) ... — ややカジュアルだが自然
7. Personally, I feel that ... — 個人的見解を前置き
8. There's no doubt that ... — 強く主張したいとき

このように、採点→言い換え→再挑戦のループを回すと、同じ弱点を毎回潰せます。Claude(クロード、別の対話型AI)での学習との使い分けは ChatGPT vs Claude|英語・資格・業務で向くのはも参考にしてください。

直前2週間でどう回すのが効率的か?

結論として、1日1〜2セットの通し練習+採点ループを、本番と同じ時間帯にやるのが直前期に効きます。新しい知識を増やすより、流れの体への定着を優先します。

準1級に挑む会社員Aさんの場合(想定ケース)

ケーススタディ:30代会社員のAさんが、平日夜にChatGPT音声モードで準1級二次を練習した想定例です。

  • 1〜3日目:流れの暗記。進行プロンプトで通し練習を1日1回、ナレーションの型を固める
  • 4〜7日目:1日2セット。採点プロンプトで「情報量」と「具体例」を集中改善
  • 8〜11日目:No.4の社会性トピック(環境・教育・働き方)を毎日1テーマずつ
  • 12〜14日目:本番と同じ時間帯に通しで2回、緊張下での即答に慣らす

短期間で別人のように話せる話ではありませんが、流れに迷わず、沈黙を減らすだけでも態度(積極性)の印象は変わります。

続けるための工夫

直前期は「完璧な1回」より「気軽な10回」です。続け方のコツは英語学習全般に共通するため、ChatGPTで英会話学習を続けるコツにまとめた習慣化の考え方が役立ちます。

ChatGPT英検二次対策でよくある質問

Q1. 無料版のChatGPTでも音声モードで面接練習できますか?

一部可能です。 音声会話機能はプランや時期で利用条件が変わるため、最新の提供状況は公式の案内でご確認ください。テキストだけでも進行・採点プロンプトは機能するので、音声が使えない場合はチャットで通し練習する方法でも十分に流れは身につきます。

Q2. ChatGPTのスコアは本番の点数と同じですか?

同じではありません。 ChatGPTの採点はあくまで練習用の目安です。本番は公式の評価観点(https://www.eiken.or.jp/eiken/exam/grade_p1/solutions.html )に基づき面接委員が採点します。AIは「弱点の方向性をつかむ道具」と位置づけてください。

Q3. 発音はChatGPTでどこまで直せますか?

傾向の指摘までは可能です。 音声モードは強勢や明らかな読み違いを指摘できますが、細かな音素レベルの矯正には限界があります。発音だけを集中的に見たい場合は、ChatGPTで発音矯正は効くのか試した記録の方法と併用すると精度が上がります。

Q4. 準2級や3級でも同じやり方が使えますか?

使えます。 進行プロンプトの「級」と「流れ」の部分を各級の公式形式に書き換えれば、同じ仕組みで回せます。準2級・3級は音読と質問の構成が2級に近いので、本記事の2級プロンプトを土台に調整するのが早いです。

Q5. ナレーションの考慮時間や音読の準備時間はどう計りますか?

スマホのタイマーで自分で計ります。 ChatGPTに「考慮1分・実施2分の合図だけ出して」と指示し、実際の計測は手元のタイマーで行うのが確実です。本番の時間感覚に体を慣らすため、必ず時間を計って練習してください。

まとめ

  • ChatGPTの音声モードを「英検二次の面接委員」役に固定すれば、本番の流れを自宅で何度でも再現できます
  • 準1級は4コマナレーション+質問4問・約8分、2級は音読+質問4問・約7分。公式形式を進行プロンプトに正確に写すのが前提です(2026年時点)
  • 進行 → 評価観点別の採点 → 弱点の言い換え練習、の3ステップループで同じ弱点を毎回潰せます
  • ChatGPTのスコアは目安であり、評価観点と日程は必ず公式で最新を確認してください

次の1歩は、本記事の進行プロンプトを音声モードに貼り、今日1回だけ通しで回してみることです。続け方の土台は ChatGPTで英会話学習を続けるコツ、本番形式のロールプレイ拡張は ChatGPT英語ロールプレイ ビジネス10シーン、音声入力の設定は iPhoneのChatGPT音声入力で英会話する設定で扱っています。