「AIという言葉はよく聞くけれど、自分には難しそう」。そう感じている60代・70代の方は少なくありません。

でも、ご安心ください。AIは、いつもお使いのスマホ1台あれば始められます。パソコンも、むずかしい設定も必要ありません。

この記事では、スマホへのアプリの入れ方から、最初の話しかけ方、毎日の暮らしでの使い方、そして安全に使うための注意点まで、順番にやさしくお伝えします。

ご本人はもちろん、ご家族が読んで一緒に始めるのにも役立つ内容です。一つずつ、ゆっくり進めていきましょう。

【編集部からのお願い】この記事は2026年6月時点の情報をもとにしています。安全のため、AIに名前や住所などの個人情報を入れないこと、AIの答えを必ず確かめること、よく似た名前の偽アプリに気をつけることを、本文の中でくり返しお伝えします。

そもそもAIとは何ですか?むずかしくないですか?

AIとは、こちらの質問に文章や声で答えてくれる、かしこい話し相手のことです。むずかしい知識は一切いりません。

AIは「人工知能」を短くした言葉です。たとえるなら、何でも気軽に聞ける、もの知りな相談相手だと考えてください。

使い方も、とてもかんたんです。「今日の天気は?」「肉じゃがの作り方を教えて」のように、人に話すのと同じ言葉で聞くだけです。

専門の用語を覚える必要はありません。敬語でも、ふだんの話し言葉でも、ちゃんと答えてくれます。

文字を打つのが苦手な方は、声で話しかけることもできます。スマホのマイクに向かって話せば、その内容を聞き取って答えてくれます。

スマホでAIを始めるにはどうすればいいですか?

スマホに無料のAIアプリを1つ入れて、画面の案内に沿って登録するだけで始められます。所要時間は5分ほどです。

まずは、定番で無料の2つから選びましょう。1つは「ChatGPT(チャットジーピーティー)」、もう1つは「Gemini(ジェミニ)」です。どちらも無料で使い始められます。

入れ方の流れは、次のとおりです。落ち着いて、一段ずつ進めてください。

  1. スマホの「アプリを入れる場所」を開きます。iPhone(アイフォン)なら青い「App Store(アップストア)」、Android(アンドロイド)なら色つきの三角形の「Google Play(グーグルプレイ)」のしるしを、画面の中からさがして指でタップ(軽くトン、と押すこと)します。
  2. 画面の上のほうにある、虫めがねの絵がついた検索のらんを押し、「ChatGPT」または「Gemini」と入力します。文字は、ひらがなを変換せず、そのままアルファベットで打って大丈夫です。
  3. 出てきた一覧から、正しいアプリを選びます。アプリ名の下に小さく書かれた「OpenAI」(ChatGPTの場合)または「Google」(Geminiの場合)という会社名を必ず確かめてから、右側の「入手」または「インストール」というボタンを押します。
  4. 入れ終わると、ボタンの文字が「開く」に変わります。それを押すとアプリが立ち上がります。
  5. 初めての画面で「ログイン」または「アカウントを作成」と聞かれたら、お持ちのメールアドレス(GmailやYahoo!メールなど)を入れて、画面の案内どおりに進めば登録できます。GoogleやAppleのボタンを押して、いつものアカウントでそのまま入る方法もかんたんです。

ここで大切な注意が1つあります。よく似た名前やそっくりのアイコン(絵)の偽アプリが、検索結果にまぎれて出てくることがあります。前のステップで説明したとおり、作った会社の名前を必ず確かめてください。ChatGPTは「OpenAI」、Geminiは「Google」が作っています。違う会社の名前だったり、会社名が書かれていなかったりするものは、入れてはいけません。

登録のとちゅうで「月額」「プラン」「お支払い」など、料金を求める画面が出たら、いったん手を止めましょう。画面のすみにある「あとで」「スキップ」「×(バツ印)」を押せば、無料のまま先に進めます。無料で使う分には、お金を払う必要はありません。

AIに最初は何と話しかければいいですか?

「こんにちは。AIは初めてです。やさしく教えてください」とそのまま打つのが、いちばん良い始め方です。

身がまえる必要はありません。最初のひと言は、あいさつで十分です。AIは、あなたのことばを待っています。

文字で話しかける手順は、次のとおりです。

  1. アプリを開くと、画面のいちばん下に「メッセージ」や「質問してみましょう」と薄く書かれた、横長の入力らんがあります。そこを指で1回タップします。
  2. キーボードが下から出てきたら、聞きたいことを打ち込みます。
  3. 打ち終えたら、入力らんの右はしにある上向きの矢印(↑)の送信ボタンを押します。これで質問が送られ、しばらくすると答えが画面に出てきます。

うまく伝わるコツは、聞きたいことを具体的に書くことです。次のような例から始めてみてください。

  • 「今日の東京の天気を教えてください」
  • 「大根を使った、かんたんな夕食のおかずを3つ教えてください」
  • 「孫の誕生日に贈る手紙の文章を、一緒に考えてください」

声で話しかけたいときは、入力らんの近くにあるマイクの絵(小さなマイクの形のしるし)を押してから、ふだんの声でゆっくり話します。話し終えたら、AIが声と文字で答えてくれます。声で使うときは、アプリから「マイクの使用を許可しますか」と聞かれることがあるので、その場合は「許可」を押してください。

答えがむずかしかったら、遠慮はいりません。「もっとやさしく、短く教えて」と続けて頼めば、言い直してくれます。何度聞いても、AIはいやがりません。

シニアの暮らしでAIはどう役立ちますか?

天気・献立・調べもの・文章書きなど、毎日のちょっとした困りごとの相談相手として役立ちます。

具体的な使い道を、いくつかご紹介します。気になるものから試してみてください。

毎日の暮らし

  • 今日の天気や、傘がいるかどうかを聞く
  • 冷蔵庫にある食材で作れる料理を教えてもらう
  • 旅行の行き先や、見どころを相談する

文章を書くとき

  • 年賀状やお礼状の文章を一緒に考える
  • 町内会のお知らせの下書きを作る
  • スマホのメールの返事を手伝ってもらう

調べものや学び直し

  • ニュースに出てきた言葉の意味をやさしく説明してもらう
  • 趣味の園芸や俳句について教えてもらう
  • 説明書のわかりにくい部分をかみくだいてもらう

健康に関することも聞けますが、ここは注意が必要です。AIの答えは参考にとどめ、体の不調や薬のことは、必ずお医者さんや薬剤師さんに相談してください。

もっと幅広い使い道を知りたい方は、AIで何ができる?活用例30もあわせてご覧ください。暮らしに合う使い方が見つかります。

AIを安全に使うために気をつけることは何ですか?

「個人情報を入れない」「答えを鵜呑みにしない」「偽アプリに注意」の3つを、いつも心にとめてください。

これが、安心して使い続けるための、いちばん大切なお約束です。一つずつ説明します。

1. 個人情報を入れない 名前、住所、電話番号、生年月日、口座番号、暗証番号などは、AIに入力しないでください。AIは便利な相手ですが、大切な個人情報を打ち込む場所ではありません。「私の家は〇〇です」といった書き方も避けましょう。

2. 答えを鵜呑みにしない AIは、まちがった内容を、いかにも正しそうに答えることがあります。とくにお金・健康・法律に関わることは要注意です。大事なことは、公式のホームページや専門家に必ず確かめてください。

3. 偽アプリ・詐欺に注意 本物そっくりの偽アプリや、不安をあおる広告に気をつけてください。「ウイルスに感染しました」「トロイの木馬に感染しました」などと急に大きな音とともに表示されても、あわてて画面を押したり、表示された電話番号にかけたりしてはいけません。これは「サポート詐欺」と呼ばれる、お金をだまし取るための偽の警告であることが多いとされています。警察庁も、画面が出たらブラウザ(インターネットを見る画面)を閉じる、それでも消えないときはスマホやパソコンを再起動するよう案内しています(参考:警察庁「サポート詐欺対策」)。少しでも変だと感じたら、ご家族や、スマホを買ったお店に相談しましょう。

公的な相談窓口として、国民生活センターでも、高齢者を狙った消費者被害への注意が広く呼びかけられています(参考:国民生活センター「高齢者の消費者被害」)。困ったときや判断に迷うときは、全国共通の消費者ホットライン「188(いやや)」に電話すれば、お近くの相談窓口につないでもらえます。「自分は大丈夫」と思わず、3つの約束を守り、一人で抱え込まず早めに相談することが、何よりの守りになります。

無料で安心して始められるアプリを比べたい方は、無料で使えるAIおすすめ6選2026も参考になります。

無料のままでも十分に使えますか?

はい、毎日の相談ごとであれば、無料のままで十分に使えます。最初からお金を払う必要はありません。

ChatGPTもGeminiも、2026年6月の時点で、基本の機能を無料で使えます。文字での質問も、声での会話も、無料の範囲でためせます。

ただし、無料には、1日や1か月に使える回数の上限があります。ふだんの使い方なら、ぶつかることはあまりありません。

もっとたくさん使いたい、もっと速く答えてほしいと感じたら、そのとき有料を考えれば十分です。無料と有料の違いは、ChatGPT無料版と有料版の違いでくわしく解説しています。

まずは無料で慣れることが、いちばんの近道です。あせらず、ゆっくり親しんでください。

シニアのAI入門でよくある質問

Q1. スマホの操作が苦手でも、本当に使えますか? はい、使えます。AIは、アプリを開いて話しかけるだけです。文字を打つ自信がなくても、声で話しかける方法があります。最初はうまくいかなくても、何度ためしても問題ありません。ご家族に最初の1回だけ手伝ってもらうのも良い方法です。

Q2. お金はかかりますか?知らないうちに請求されませんか? 無料のまま使えば、お金はかかりません。料金を求める画面が出ても、押さずに「あとで」や「スキップ」を選べば大丈夫です。クレジットカードを登録しなければ、自動で請求されることはありません。不安なときは、登録の前で手を止めましょう。

Q3. AIに話したことは、人に見られてしまいますか? あなたとAIのやりとりが、そのまま他人の画面に出ることはありません。ただし、入力した内容がサービスの改善に使われる場合はあります。だからこそ、名前や住所などの個人情報は入れないのが安全です。

Q4. AIの答えがまちがっていることはありますか? はい、あります。AIは、まちがった内容を正しそうに答えることがあります。とくにお金・健康・法律のことは、必ず公式の情報やお医者さんなどの専門家で確かめてください。AIは「下調べの相手」と考えるのが安心です。

Q5. 家族が遠くにいても、一人で始められますか? はい、一人でも始められます。この記事の手順どおりに進めれば大丈夫です。それでも不安なときは、電話やビデオ通話で、ご家族に画面を見てもらいながら進める方法もあります。最初の登録だけ手伝ってもらえば、あとは一人で楽しめます。

まとめ

  • AIはスマホに無料アプリを入れて話しかけるだけで使え、特別な準備や知識はいりません。
  • 最初はChatGPTかGeminiの無料版で十分。文字でも声でも、人に話すのと同じ言葉で聞けます。
  • 安全のカギは「個人情報を入れない」「答えを鵜呑みにしない」「偽アプリに注意」の3つです。
  • 天気や献立、文章書きや調べものなど、毎日の暮らしの相談相手として末永く役立ちます。

AIは、年齢に関係なく、誰でも始められる新しい道具です。今日のひと言、「こんにちは」から、ゆっくり始めてみてください。もっと基本から知りたい方は、生成AIの始め方 完全ガイド2026もおすすめです。