「FP2級まで取りたいけれど、いきなり2級から受けられるの?」——FP(ファイナンシャルプランナー)の勉強を始めようとして、ここで手が止まる人は少なくありません。2級は3級合格者でないと受けられないのが原則で、3級を飛ばして2級から受けるには「AFP認定研修」を修了するか実務経験が必要になります。この受検資格のしくみを知らずに講座を選ぶと、「思っていたより遠回りになった」とつまずきがちです。
先に結論をお伝えします。FP2級を最短で狙うなら、講座選びの最優先は「その講座がAFP認定研修を兼ねているか」です。AFP認定研修に対応した講座を選べば、3級受検をはさまずに2級の受検資格が得られます。さらにユーキャン・フォーサイト・大原などの2級講座は一般教育訓練給付制度の対象で、要件を満たせば受講料の一部が戻ります。「AFP研修対応か」「給付対象か」——この2つを見分けるだけで、候補はぐっと絞れます。
この記事では、AFP認定研修を兼ねる講座と兼ねない講座の違い、教育訓練給付の確認手順、主要校(ユーキャン・フォーサイト・大原・スタディング・アガルート)の料金目安を整理します。あわせて、自分の家計を題材にした試算や苦手分野の暗記をChatGPTで補強する「家計シミュレーション×AI」の進め方も紹介します。読み終えるころには、自分が申し込むべき1講座が見えているはずです。
編集部注記:本記事の料金・合格率は各公式サイトの公表値をもとにしていますが、いずれもキャンペーンやコース改定で変動します。料金は変動しますので、最新の正確な情報は各公式サイトでご確認ください。合格率は「受講者のうち回答した人」を母数にするなど算出方法が各社で異なり、全国平均と単純には比較できない点にもご注意ください。
FP AFP認定研修を兼ねる講座とは?
FP2級を目指す人がまず押さえたいのが「受検資格」です。FP技能検定は1級・2級・3級に分かれ、3級は受検資格がなく誰でも受けられますが、2級は3級合格者であることが原則です。3級を飛ばしていきなり2級から受けるには、日本FP協会のAFP認定研修を修了するか、2年以上の実務経験が必要になります(出典:日本FP協会 試験要綱)。
ここで効いてくるのが「AFP認定研修を兼ねる講座」です。AFP認定研修に対応した通信講座を選ぶと、研修修了が2級の受検資格になるため、3級受検をはさまずに2級へ進めます。学び直し層にとっては、3級の受検料・対策時間をまるごと節約できるルートです。さらに研修修了後にAFP登録をすれば、名刺などに使えるAFPの資格も手に入ります。
AFP認定研修に対応している主な通信講座は、ユーキャン(FP2級講座)、フォーサイト(バリューセット)、資格の大原(パススルFP2級・AFP)などです。一方で、スタディングやアガルートのFP講座は原則としてAFP認定研修ではなく、2級を受けるには先に3級合格が必要になります(出典:アガルート FP講座コラム)。「安いから」とAFP非対応の講座を選ぶと、結局3級から受け直しになることがあるので、申し込み前に「この講座はAFP認定研修を兼ねているか」を必ず確認しましょう。
なお試験は2024年度から3級・2級ともに通年のCBT方式(パソコン受検)になっており、自分のペースで予約しやすくなっています(出典:日本FP協会 CBT試験について)。迷う場合は、先にAI時代に取るべき資格マップで、FPが自分の目的に合う資格かを確かめておくと、勉強のモチベーションが固まります。
FP2級 教育訓練給付 講座の見分け方
AFP研修対応とあわせて確認したいのが「教育訓練給付制度の対象か」です。教育訓練給付制度は、雇用保険に一定期間加入している(していた)人が対象講座を受けて修了すると、受講料の一部がハローワークから支給される制度です。一般教育訓練給付では受講料の20%(上限あり)が戻ります(出典:厚生労働省 教育訓練給付制度)。
FP2級の通信講座では、ユーキャン・フォーサイト・大原などが一般教育訓練給付の対象講座を用意しています(各社の対象コース・支給可否はフォーサイト FP講座 料金ページなどの公式案内に明記)。ただし対象になるかどうかは「講座」だけでなく「あなたの雇用保険の加入歴」にも左右されるため、ここは断定できません。次の手順で確認すると確実です。
- 各講座の公式サイトで、申し込もうとしているコースが「一般教育訓練給付の対象」と明記されているかを見る。
- 自分が支給要件(雇用保険の加入期間など)を満たすかを、住所地のハローワークまたは厚生労働省の制度ページで確認する。
- 給付を受けるには修了要件(提出物・受講進捗など)があるので、講座のルールも事前に把握しておく。
会社員や、雇用保険の加入歴がある方は、申し込み前にこの3点をチェックしておくと、実質負担を抑えられる可能性があります。
FP通信講座の選び方3基準
受検資格と給付を押さえたら、講座は次の3つの軸で絞ると迷いません。優先順位の高い軸から決めていきましょう。
1. AFP認定研修に対応しているか(受検資格) 2級を最短で狙うなら、AFP認定研修を兼ねる講座が有利です。3級から堅実にいくなら3級単体の安いコースでも構いませんが、「2級まで一気に」が目標なら、まずここを満たす講座に候補を絞ります。
2. 料金と教育訓練給付(予算) FPの通信講座は、3級単体なら5,000円前後から、2級・AFP対応の手厚いコースだと6万〜7万円台まで幅があります。価格差の正体は、テキストの有無・動画の量・添削指導・質問サポートの回数など。給付の対象コースなら実質負担が下がるので、表示価格だけでなく「給付後の負担額」で比べるのがコツです。
3. サポートの手厚さ(続けやすさ) 独学で挫折した経験がある人や、法律・税金の勉強が初めての人ほど、添削指導や質問対応があると安心です。フォーサイトのように質問回数が明示された講座や、ユーキャンのように添削が組み込まれた講座は心理的な支えになります。スキマ時間で進めるなら、スマホで講義・演習・復習まで完結するか(スタディングが代表格)も続けやすさを左右します。
主要講座の比較テーブル
主要な通信講座を、「AFP認定研修に対応しているか」「教育訓練給付の対象か」を含めて横並びにしたのが次の表です。料金は税込のコース料金の目安で、キャンペーンや年度で変わります。給付の対象可否や合格率は各社の公表値をもとにした参考情報で、算出方法や適用要件が異なるため、最終的には公式と自分の条件で確認してください。
| 講座名 | AFP認定研修 | 教育訓練給付 | 料金目安(税込) | 特徴・向いている人 |
|---|---|---|---|---|
| ユーキャン | 兼ねる(AFP認定講座) | 一般給付の対象コストあり(要件は要確認) | 64,000円 | 読みやすい教材+添削8回。通信教育が初めてで手厚く進めたい人 |
| フォーサイト | 兼ねる(AFP認定研修対象) | 一般給付の対象コースあり(要件は要確認) | バリューセット1 60,800円/バリューセット2 65,800円 | フルカラー+高い受講生合格率を公表。無料質問つき。実績とサポート重視の人 |
| 資格の大原 | 兼ねる(パススルFP2級・AFP) | 一般給付の対象コースあり(要件は要確認) | 66,000円(別途入学金6,000円) | 老舗予備校の体系教材。通学校の信頼感も欲しい人 |
| スタディング | 兼ねない(原則3級受検が前提) | 対象外 | 3級 4,950円/2級 29,700円/3級2級セット 31,900円 | スマホ完結+AI復習。とにかく安く・スキマ時間で進めたい人 |
| アガルート | 兼ねない(原則3級受検が前提) | 対象外 | 2級講座 49,280円〜 | 低価格でフルカラー教材。3級から自力で進められる人 |
(出典:ユーキャン FP講座 /フォーサイト FP講座 料金 /資格の大原 FPコース一覧 /スタディング FP講座 /アガルート FP講座コラム)
表を縦に見ると、選び方の分かれ目がはっきりします。「2級を最短で・給付も使いたい」ならユーキャン・フォーサイト・大原のいずれか。「とにかく安く、3級から順に」ならスタディングやアガルートです。フォーサイトは2025年1月のFP2級試験で受講生合格率86.89%という高い実績を公表しており(出典:フォーサイト 合格率)、同じAFP対応校でも実績で選ぶか価格で選ぶかで答えが変わります。なお、表の「教育訓練給付」は各社が対象コースを用意しているという意味で、あなたが給付を受けられるかは雇用保険の加入歴などの要件しだいです。対象と断定せず、必ず公式とハローワークで確認してください。
料金で比較:いくらかかる?
「結局いくら必要か」を、目指す級ごとに整理します。
3級だけを取りたい場合 最安はスタディングの3級コースで、約4,950円(税込)です(出典:スタディング FP講座)。3級は受検資格がなく難易度も入門レベルなので、「まず体験として」ならこの価格帯で十分狙えます。
2級まで一気に取りたい場合(AFP研修を兼ねる講座) 3級受検をはさまず2級を狙うなら、AFP認定研修を兼ねる講座が候補です。ユーキャンが64,000円(税込)、フォーサイトのバリューセットが約60,800〜65,800円(税込)、資格の大原のパススルFP2級・AFPが66,000円(税込・別途入学金6,000円)が目安です(出典:ユーキャン /フォーサイト /資格の大原)。価格差はそのまま、添削・質問サポート・教材の厚みの差です。
なお、AFP研修を兼ねないスタディング(3級2級セット約31,900円)やアガルート(2級講座49,280円〜)は表示価格こそ安いものの、原則3級合格が前提です。「3級から自力で進める」前提なら割安、「2級を最短で」なら結局3級の手間が乗る点を踏まえて比べましょう。
教育訓練給付制度も確認を ユーキャン・フォーサイト・大原の2級講座には、一般教育訓練給付制度の対象コースがあります。要件を満たせば受講料の20%(上限あり)が支給され、実質負担が下がります(出典:厚生労働省 教育訓練給付制度)。ただし支給されるかは雇用保険の加入歴などの要件しだいで、「対象」と決めつけは禁物です。会社員や雇用保険の加入歴がある方は、申し込み前にコースの対象表示と自分の要件を、各公式とハローワークで確認しておきましょう。
ここまでで「2級を最短で・給付も使うか」「3級から安く進めるか」の自分の軸が見えてきたはずです。次はゴール別に、具体的なおすすめを案内します。
ゴール別おすすめ講座
ここからはゴール別に、最初に検討したい1講座を挙げます。料金・AFP対応・給付対象の最終確認は、必ず各公式サイトとハローワークで行ってください。
2級を最短で・初学者として丁寧に進めたい人 → ユーキャン
ユーキャンの強みは、初学者への配慮と知名度の安心感です。受講生の多くが「FPの学習は初めて」という層で、テキストは一から丁寧に解説されています。添削指導(WEB提出8回)が組み込まれており、AFP認定講座のため3級を受検せずに2級へ進める設計です。一般教育訓練給付の対象コストがあり、要件を満たせば実質負担も下がります。「独学だと続かない」「誰かに見てもらいながら進めたい」という会社員・主婦の学び直しに向いています(出典:ユーキャン FP講座)。
合格実績と質問サポートを重視する人 → フォーサイト
フォーサイトは、フルカラーで分かりやすいテキストと、公表されている高い受講生合格率が特徴です。AFP認定研修対象で、バリューセット1は無料質問10回、バリューセット2は15回まで対応し、つまずいたときに聞ける環境が整っています(出典:フォーサイト FP講座 料金)。一般教育訓練給付の対象コースもあります。「本気で2級まで取り切りたい」「サポートにお金をかける価値を感じる」という人に向いています。
老舗予備校の体系教材で2級・AFPまで固めたい人 → 資格の大原
資格の大原のパススルFP2級・AFPは、AFP認定研修を兼ねたWeb通信コースで、一般価格66,000円(税込・別途入学金6,000円)です(出典:資格の大原 FPコース一覧)。長年の受験指導ノウハウに基づく体系的な教材と、通学校も持つ予備校ならではの信頼感が強みです。一般教育訓練給付の対象コースもあるため、「実績ある予備校でしっかり固めたい」という人に向いています。
とにかく費用を抑えたい・スマホで完結させたい人 → スタディング
スタディングはAFP認定研修は兼ねないため2級は原則3級合格が前提ですが、3級単体なら約5,000円、3級2級セットでも約3万円台と費用を最も抑えやすい設計です。5分前後の短い動画とスマホ完結の演習で、通勤や家事の合間に少しずつ進められます。AIが復習タイミングや弱点問題を提案してくれるため、「何から手をつけるか」で迷いにくいのも、独学が続かなかった人には心強いポイントです。「3級から自力で順に進める」前提の人に向いています。
ケーススタディ:40代会社員Bさんの選び方(編集部による想定例) たとえば、雇用保険に10年以上加入している40代会社員のBさんが「2級まで取って家計相談に活かしたい」と考えた場合。3級から受け直す時間をかけたくないため、AFP認定研修を兼ねるユーキャン・フォーサイト・大原に候補を絞り、勤務先経由で雇用保険の加入歴を確認したうえで、一般教育訓練給付の対象コースを選ぶ——という流れが現実的です。給付の可否は人によって異なるため、Bさんも申し込み前にハローワークで要件を確認する想定です。(※このBさんは編集部が想定した架空の人物像です。)
2級そのものをAIでどう攻略するかは、FP2級をAIで突破する勉強法も合わせて読むと、講座と独学の役割分担がはっきりします。
家計シミュレーション×AIで暗記を補強する
ここがこの記事のもう一つの肝、独自の進め方です。通信講座は「体系的に学ぶ」「最新の制度に対応する」のが得意な一方、人によっては講義を聞くだけで手が止まりがちです。そこをChatGPTのようなAIで「自分の家計シミュレーション」に引き寄せると、学習時間をぐっと圧縮できます。
1. 自分の家計を題材に「生きた問題」を作る FPの6分野は、自分ごとに引き寄せると一気に頭に入ります。たとえば「世帯年収◯◯万円・子ども2人・住宅ローン残◯年の家庭が、教育費と老後資金を両立するには」とChatGPTに状況を入力し、考え方の道筋を出してもらう。これを教材の該当分野と照らし合わせると、暗記が「自分の家計の話」に変わって定着します。試算結果は必ず教材や公式情報で裏取りし、AIの数字をうのみにしないのがコツです。
2. 苦手分野を一問一答で詰める 税金や相続など、用語が多くて覚えにくい分野は、ChatGPTに「FP3級レベルの一問一答を10問出して」と頼み、間違えた問題だけ繰り返してもらうと効率的です。スタディングのAI機能と役割が近いので、スタディング受講者は講座のAIを、紙教材中心の人はChatGPTを、と使い分けるとよいでしょう。
3. 説明できるか「先生役」で確認する 覚えたつもりの分野を、ChatGPTを生徒役にして自分の言葉で説明してみる。詰まったところが理解の穴です。インプット偏重になりがちな通信講座の弱点を、この「アウトプット練習」で埋められます。
AIを学びにどう組み込むか全体像を知りたい方は、40代コスパ資格3選でも、AI時代に効率よく資格を取る考え方を紹介しています。
まとめ:AFP研修と給付の有無から1講座を選ぶ
FP2級の通信講座選びは、次の順番で考えれば迷いません。
- AFP認定研修を兼ねるかを確認する:2級を最短で狙うなら、3級受検をはさまずに済むAFP認定研修対応の講座(ユーキャン・フォーサイト・大原など)を選ぶ。3級から自力で進めるならスタディングやアガルートでも可。
- 教育訓練給付の対象かを確認する:対象コースなら受講料の20%(上限あり)が戻る可能性がある。ただし支給は雇用保険の加入歴などの要件しだいなので、コースの対象表示と自分の要件を公式・ハローワークで必ず確認する。
- サポートと予算で最終決定:初学者への丁寧さならユーキャン、合格実績と質問対応ならフォーサイト、予備校の体系教材なら大原、最安・スマホ完結ならスタディング。
そのうえで、自分の家計を題材にした試算や暗記はChatGPTで補強し、体系学習と最新制度は講座で固める「家計シミュレーション×AI」の進め方に持ち込めば、限られた時間でも合格は十分に狙えます。FPは「必ず合格できる」と断言できる資格ではありませんが、6分野の基礎は自分や家族の家計にそのまま効くため、勉強した分が暮らしのリターンになりやすい資格です。
最後に、料金・合格率・給付の対象可否・コース内容はキャンペーンや年度で変わります。申し込み前に、気になった講座の公式サイトで最新情報を必ず確認してください。同じ「お金と暮らし」を守る学び直しとして、宅建の通信講座おすすめ比較も参考になります。
(参考:日本FP協会 試験要綱 /きんざい FP /厚生労働省 教育訓練給付制度)