「ChatGPTでTOEICリスニングは伸びますか?」という質問をよく受けます。結論として、伸びますが、ChatGPTだけでは不十分 です。公式問題集との併用が前提になります。それでも、ChatGPTには公式問題集にはない強みがあります。編集部が複数の中級者ユーザーから取材した1日10分の使い方を共有します。

※本記事のケーススタディは編集部が複数事例から構成した想定ペルソナです。

ChatGPTだけでTOEICリスニングは伸びるのか?

結論として、部分的に伸びますが、本番の音源傾向に慣れるには公式問題集が必要 です。

TOEICは独特のナレーター・テンポ・出題形式があります。ChatGPTで自由に生成した英文はこれを完全再現できないため、ChatGPTだけで対策すると本番形式に弱くなります。

ChatGPTの強みは、「聞き取れなかった音」を即座に質問できる ことです。なぜ聞こえないか(連結・脱落・速度)を、その場で文字と説明で確認できる。これは紙の解説書にはない学習体験です。

まずTOEICリスニングの全体像を確認しておきます。リスニングセクションは全100問で、4つのPartに分かれています。

Part 形式 問題数
Part1 写真描写問題 6問
Part2 応答問題 25問
Part3 会話問題 39問(13会話×3問)
Part4 説明文問題 30問(10トーク×3問)

Part1・Part2は短く音だけで判断する瞬発力、Part3・Part4はやや長い会話・トークを聞いて設問に答える持久力が問われます。ChatGPTは、この4つすべてについて「問題を自作する」「設問と解説を作る」を文字ベースで手伝えます。次の章でPartごとにコピペできるプロンプトを並べます。

1日10分の使い方(Part3/Part4想定)

結論として、会話文を生成 → 音声モードで聞く → 詰まった箇所を質問 → 1単語覚えて終わる の流れです。

具体的な10分の内訳:

時間 内容
0〜2分 Part3形式の会話文を生成(プロンプトで)
2〜5分 音声モードで2回聞く
5〜7分 聞き取れない箇所をスクリプトで確認
7〜9分 「なぜ聞こえなかったか」をChatGPTに質問
9〜10分 その日の1単語をメモして終わり

会話文の生成プロンプト例:


TOEIC Part3 風の会話文を1つ作ってください。
- 登場人物:男女2人(ビジネスシーン)
- 長さ:30〜45秒で話せる量
- 題材:会議の日程変更
- 設問は3問、選択肢A〜Dで
- まず会話だけ提示、設問は私が「設問」と言ったら出す

会話の最後に、難しい単語を3つピックアップしてください。

Part別「問題を自作する」「設問・解説を作る」プロンプト集

結論として、4つのPartそれぞれに「問題作成プロンプト」と「設問・解説プロンプト」をペアで持っておく と、ChatGPTが自作問題集になります。以下はそのままコピペして使える形です。音声で聞きたいときは、生成した英文をChatGPTの音声モードに読み上げてもらってください。

Part1(写真描写問題・6問)

写真がないと成立しないPartですが、ChatGPTには「写真の描写文(4択の英文)」を作らせて、正解の選び方や引っかけのパターンを学べます。

問題を自作するプロンプト


TOEIC Part1(写真描写問題)の練習を作ってください。
- まず、ある写真のシーンを日本語で1つ説明してください(例:オフィスで男性が書類を見ている)
- そのシーンについて、英語の描写文を4つ(A〜D)作ってください
- 1つだけ正解、3つは「動作違い・主語違い・場所違い」の引っかけにしてください
- 正解と解説は、私が「答え」と言うまで出さないでください

設問・解説を作るプロンプト


さきほどのPart1問題について、解説をお願いします。
- 正解の選択肢と、その理由
- 不正解3つが「なぜ引っかけなのか」を1つずつ
- この問題で狙われやすい音(現在進行形 is -ing の聞き取りなど)を1点
- 似たパターンの新しい写真シーンを1つ提案

Part2(応答問題・25問)

質問文に対して最も自然な応答を3択から選ぶPartです。問題数が多く配点も大きいので、数をこなすほど有利になります。

問題を自作するプロンプト


TOEIC Part2(応答問題)を5問まとめて作ってください。
- 1問につき「質問または発言」1つと、応答の選択肢A〜Cを3つ
- WH疑問文・Yes/No疑問文・平叙文を混ぜてください
- ひねり(質問にストレートに答えない自然な応答が正解)を2問は入れてください
- 質問文と選択肢だけ先に出し、正解は「答え」と言うまで伏せてください

設問・解説を作るプロンプト


さきほどのPart2の5問を採点・解説してください。
- 各問の正解と、なぜそれが最も自然か
- 私が間違えやすい「冒頭の疑問詞の聞き逃し」の観点で注意点を1つずつ
- 引っかけで使われた「同じ音・似た音の単語」をリストアップ

Part3(会話問題・39問)

2〜3人の会話を聞いて3問に答えるPartです。会話が長いので、ディクテーションやシャドーイングの素材としても優秀です。

問題を自作するプロンプト


TOEIC Part3風の会話文を1つ作ってください。
- 登場人物:男女2人(ビジネスシーン)
- 長さ:30〜45秒で話せる量
- 題材:会議の日程変更
- まず会話だけ提示してください
- 設問は私が「設問」と言ったら、3問・選択肢A〜Dで出してください
会話の最後に、難しい単語を3つピックアップしてください。

設問・解説を作るプロンプト


さきほどのPart3の会話と3問について解説してください。
- 各設問の正解と、会話のどの一文が根拠か(その英文を引用)
- 「言い換え(パラフレーズ)」で正解に飛ばす設問があれば指摘
- 聞き取りにくい連結・脱落が起きている箇所を3つ抜き出して説明

Part4(説明文問題・30問)

アナウンス・留守電・ナレーションなど、1人の長めのトークを聞いて3問に答えるPartです。決まった言い回し(定型表現)が多いので、型を覚えると一気に伸びます。

問題を自作するプロンプト


TOEIC Part4風の説明文(モノローグ)を1つ作ってください。
- 種類:空港・店内・社内放送のいずれか
- 長さ:30〜40秒で読める量
- まず本文だけ提示してください
- 設問は私が「設問」と言ったら、3問・選択肢A〜Dで出してください
最後に、この形式で頻出の定型表現を3つ挙げてください。

設問・解説を作るプロンプト


さきほどのPart4の本文と3問を解説してください。
- 各設問の正解と根拠の一文(英文を引用)
- 冒頭で「場面・話し手・聞き手」を特定できるヒントがどこにあったか
- このトークで覚えておくと得な定型フレーズを3つ、和訳つきで

聞き取れない時にChatGPTに質問する型は?

結論として、「なぜ聞こえなかったかを文字で示してください」 の型が最強です。


さきほどの会話の中で、私は「ここ」が聞き取れませんでした:
"the meeting at 3"

なぜ聞き取れなかったか、以下の観点で説明してください:
1. 単語同士の連結(リエゾン)
2. 音の脱落
3. 弱形化
4. 話す速度

加えて、似た音のパターンを2つ例示してください。

これに対してChatGPTは「at 3 が "at three" のtが脱落して "athree" に聞こえます」のように具体的に教えてくれます。

ChatGPT TOEICディクテーションのやり方

結論として、ChatGPTを音声出力する → 一文ずつ書き取る → スクリプトと答え合わせ の流れで、ディクテーション(書き取り)が回せます。これがリスニングで最も効く練習の1つです。

ディクテーションとは、聞こえた英文を一字一句書き取る練習です。「なんとなく聞こえた」を「正確に文字にできた」に変えることで、自分が本当はどの音を聞き逃しているかが可視化されます。TOEICのスコアが伸び悩む人の多くは、ここでつまずいています。

ChatGPTでやる手順は次の3ステップです。

  1. 音声で読み上げてもらう … 下のプロンプトで一文ずつ間を空けて読ませる
  2. 聞こえた通りに書き取る … 分からない箇所は空欄のままにする
  3. スクリプトと照合する … ChatGPTにスクリプトを出させ、書けなかった箇所を質問する

ディクテーション用プロンプト


これからTOEIC Part4のような英語アナウンスを音声で読み上げます。
- 1文ごとに2秒空けてください
- 私が「次」と言ったら次の文に進んでください
- 全部終わったら、スクリプトをまとめて出してください
- そのあと、私が書き取れなかった箇所を伝えるので、なぜ聞き取れなかったか解説してください

書けなかった箇所が出たら、後述の「なぜ聞こえなかったか」を文字で示すプロンプトにつなげると、弱点が連結・脱落・速度のどれなのかが特定できます。1日10分なら2〜3文の書き取りで十分です。短くても毎日続けるほうが効きます。

シャドーイングへの応用

結論として、ChatGPTの音声モードで読み上げてもらいながら、少し遅れて自分も同じ英文を口に出す のがシャドーイングです。耳と口を同時に鍛えられます。

シャドーイングは、聞こえた音を真似して声に出すことで、英語のリズムと音のつながりを体に覚えさせる練習です。ディクテーションで「聞き取れない音」を特定したあとに行うと、その音を自分でも発音できるようになり、次から聞き取りやすくなります。


これからTOEIC Part3風の会話を音声で読み上げてください。
- まず普通の速さで1回
- 次に、私がついていけるよう少しゆっくりもう1回
- 私が「もう一度」と言ったら、同じ会話を繰り返してください

ChatGPTに「もっとゆっくり話してください」と言えば速度を落としてくれます。最初はゆっくり、徐々に速度を上げるのが上達のコツです。発音が正しく伝わるかどうかは ChatGPTで発音矯正は本当に効くのか でテストできます。

スコア帯別・ChatGPTの使い方

結論として、今のスコアによって「何を作らせるか」を変える と効率が上がります。

スコア帯 重点Part ChatGPTの使い方
〜500点 Part1・Part2 短文の聞き取りとディクテーション中心。1文を確実に書き取れるまで反復する
〜600点 Part2・Part3 応答問題の数こなしと、会話文のシャドーイング。連結・脱落の質問を増やす
730点〜 Part3・Part4 長めのトークでパラフレーズ(言い換え)対策。設問の根拠の一文を毎回特定する練習

スコアが低いうちは「短く・正確に」、高くなるほど「長く・速く・言い換えに強く」がコツです。どの帯でも、本番形式そのものは公式問題集で必ず仕上げてください。

公式問題集との使い分けは?

結論として、ChatGPTは「弱点の補強」、公式問題集は「本番形式への慣れ」 という分担がベストです。

観点 ChatGPT 公式問題集
本番形式への忠実度
「なぜ聞こえないか」の解説
速度調整・反復 ×
模試としての精度 ×
月額 無料〜月20ドル(Plus、OpenAI公式 3,000円程度/冊

朝の通勤10分はChatGPTで弱点補強、週末2時間は公式問題集で模試形式、というのが現実的なバランスです。

よくある質問

Q1. 無料版でもリスニング対策はできますか?

文字での会話文生成と質問はできます。ただし音声モードはPlusが必要なので、本格的にやるならPlusがおすすめです。

Q2. TOEICスコアはどれくらい伸びますか?

複数のユーザー取材では、ChatGPT併用で月10〜20点の上積みを感じたという声がありました(あくまで個人体感であり、スコアアップを保証するものではありません)。公式統計ではないので参考値として捉えてください。

Q3. iOSとAndroidで違いはありますか?

音声モードの精度は両方とも十分です。iOSの方がやや滑らかです。

Q4. シャドーイングはAIスピードで難しすぎませんか?

ChatGPTに「もっとゆっくり話してください」と言えば速度を落としてくれます。最初はゆっくり、徐々に速度を上げるのが上達のコツです。

まとめ

  • ChatGPTだけでTOEICリスニングは部分的に伸びますが、本番形式は公式問題集で慣れる必要があります
  • Part1〜Part4それぞれに「問題を自作するプロンプト」と「設問・解説プロンプト」を用意すれば、ChatGPTが自作問題集になります
  • ディクテーション(書き取り)で聞き逃した音を可視化し、シャドーイングで口に出して定着させるのが王道です
  • 〜500点は短文の正確さ、730点〜は長文と言い換え対策、とスコア帯で重点を変えましょう
  • 「なぜ聞こえないか」を文字で質問できるのが、ChatGPT最大の強みです