「自分のLINEスタンプを売ってみたいけれど、絵心がまったくない」。そう思って一歩を踏み出せずにいる方は多いはずです。これまでスタンプ販売は、イラストが描ける人だけの副業でした。けれども画像生成AIの登場で、その前提が大きく変わりました。
文章で「丸っこい三毛猫が、ありがとうと手を振っているイラスト」と指示するだけで、AIが下絵を作ってくれます。あとは無料ツールで形を整え、LINEの公式サービスに申請するだけです。パソコンが苦手でも、手順どおりに進めれば一通り完結します。
結論として、画像生成AIとCanvaを使えば、絵が描けない方でもLINEスタンプを作って販売することは十分に可能です。
ただし、夢のような大金がすぐ手に入るわけではありません。この記事では、作り方の流れに加えて、公式情報にもとづく分配の仕組みと、誠実に見たときの「現実的な収益感」までを丁寧に整理します。
編集部注記:本記事は、LINE Creators Market の公開情報と一般的な制作手順をもとに「大人のAIスクール」編集部が構成した解説です。仕様や料率は変更される場合があるため、申請前に必ず公式サイトの最新情報をご確認ください。記事中の事例は、よくある始め方をもとにした編集部の想定ケースです。
絵が描けなくてもLINEスタンプは作れますか?
はい、画像生成AIで下絵を作り、無料の編集ツールで整えれば、絵を一から描かなくてもスタンプは作れます。
LINEスタンプは「LINE Creators Market」という公式の仕組みを通じて、誰でも個人で登録・販売できます。販売者であるクリエイターが画像を作り、運営会社の審査を受けて、適切と判断されたものだけが販売される流れです(出典:LINE Creators Market 公式 https://creator.line.me/ja/howto/ )。
これまでは、この「画像を作る」工程が最大のハードルでした。手描きやペイントソフトの技術が必要だったからです。そこを肩代わりしてくれるのが画像生成AIです。言葉で指示すれば、キャラクターのイラストを何枚でも生成できます。
必要なのは「描く力」より「選ぶ力」と「整える力」
AIを使う場合、求められるのは絵の技術ではなく、生成された候補から良いものを選ぶ目と、それを整える作業です。
AIは一度に何パターンも絵を出してくれます。その中から「表情がかわいい」「LINEで使いやすそう」というものを選び、文字を載せたりサイズを整えたりする。これがメインの仕事になります。むしろ、どんなスタンプが日常会話で使われるかを想像できる人のほうが向いている副業です。
主婦の在宅副業に向いている理由
LINEスタンプ作りは、まとまった時間がとりにくい人にも合っています。1セット作るのに何日かかっても締め切りはなく、すきま時間に少しずつ進められるからです。
家事や育児の合間に、スマホやパソコンで数枚ずつ作る。そんな進め方でも問題ありません。AIで「日常で何ができるか」を知りたい方は、生成AIは日常で何ができる?もあわせて読むと、できることの広がりが見えてきます。
AIでスタンプを作る流れはどうなりますか?
大きくは「AIでイラスト生成 → Canvaで整形 → LINE Creators Marketに申請」の3ステップで進みます。
難しい専門ソフトは使いません。無料ではじめられるツールだけでも、ひと通りの工程を体験できます。順番に見ていきましょう。
ステップ1:画像生成AIでイラストを作る
まずは画像生成AIで、スタンプの主役になるキャラクターを作ります。
「白い柴犬のキャラクター、シンプルな線、背景は白、ありがとうのポーズ」のように、特徴・線のタッチ・背景・ポーズを言葉で指定します。同じキャラクターで「おはよう」「OK」「ごめんね」など、表情やポーズ違いを複数生成していくのがコツです。スタンプは1セット8個から登録できるため、まずは8〜16個を目標にすると無理がありません。
AIイラストをグッズやコンテンツとして売る基本の考え方は、AI画像生成 副業|BASE・minneで売るでも詳しく扱っています。スタンプ以外の販路を知っておくと、作った絵を無駄なく活かせます。
ステップ2:Canvaで背景透過・サイズ調整
次に、Canvaなどの編集ツールで、スタンプの規格に合わせて整えます。
LINEスタンプの画像には、背景を透明にする「背景透過」や、決められたサイズ(メイン画像や個々のスタンプの寸法)に合わせる作業が必要です。Canvaには背景を消す機能や、サイズを指定して書き出す機能があり、専門知識がなくても操作できます。文字を入れる場合も、ここでまとめて行います。
ステップ3:LINE Creators Marketに登録・申請
最後に、LINE Creators Market にクリエイター登録し、画像をアップロードして審査に申請します。
スタンプのタイトルや説明文、販売価格を設定し、必要な画像を登録すると申請が完了します。あとは審査の結果を待つだけです。承認されれば販売が始まり、リジェクト(差し戻し)になった場合は理由を確認して修正し、再申請できます(出典:LINE Creators Market 公式 https://help2.line.me/creators/web/pc?lang=ja&contentId=20005101 )。
LINEスタンプはいくら稼げますか?
結論から言うと、最初はお小遣い程度で、月数百円〜数千円から始まると考えるのが現実的です。
仕組みを正しく知っておくと、過度な期待で落ち込むことを防げます。まず、お金の流れを押さえましょう。
分配の仕組み:手元に残るのは販売価格の約35%
クリエイターが受け取る分配金は、スタンプの売上から AppleやGoogle などのプラットフォーム手数料30%を引いた残りの50%です(出典:LINE Creators Market 公式 https://creator.line.me/ja/howto/ )。計算すると、販売価格に対しておよそ35%が手元に残る形になります。
この分配率は、もともと売上の50%でしたが、審査スピードの改善などを目的に、2016年に現在の方式へ変更された経緯があります(出典:週刊アスキー https://weekly.ascii.jp/elem/000/002/629/2629004/ )。たとえば120円のスタンプが1個売れた場合、手元に残るのはおよそ40円前後という計算になります。
| スタンプ販売価格(税抜目安) | 1個あたりの分配(約35%の目安) | 月100個売れた場合の目安 |
|---|---|---|
| 120円 | 約42円 | 約4,200円 |
| 240円 | 約84円 | 約8,400円 |
| 360円 | 約126円 | 約12,600円 |
※上記は分配率を約35%として単純計算した目安です。実際の金額は為替や端末・販売形態により変動します。あくまでイメージとしてご覧ください。
送金には条件がある
稼いだ分配金は、すぐ全額が振り込まれるわけではありません。分配額の合計が1,000円を超えると送金申請ができる仕組みで、振込時には所定の手数料(国内銀行の場合495円)がかかります(出典:LINE Creators Market 公式 https://help2.line.me/creators/web/pc?lang=ja&contentId=20005127 )。
つまり、最初の数個が売れただけでは現金は受け取れません。1,000円という最初の壁を越えるまで、コツコツ積み上げる前提が必要です。
「ストック型」だからこそ現実的に考える
LINEスタンプは、一度作って販売を始めれば、その後は何もしなくても売れる可能性が残る「ストック型」の副業です。働いた時間に対してその場で報酬が出る仕事とは性質が違います。
魅力は、寝ている間にも売れる点です。一方で、出した直後はほとんど見つけてもらえず、売上ゼロが続くことも珍しくありません。最初から大きな収入を期待せず、「作品を増やしながら、当たりを探していく」くらいの気持ちが現実的です。同じストック型でも収益化の難しさという点では、ChatGPTブログ量産で月5万は危険で扱った「量産すれば稼げる」という発想の落とし穴とも通じるものがあります。
審査やルールで気をつけることは何ですか?
審査は数時間〜約2日で結果が出ますが、規約違反や著作権の問題があるとリジェクトされるため、ルールの確認が欠かせません。
審査自体は以前よりかなり速くなっており、2024年時点で数時間〜約2日で完了するとされています(出典:LINE Creators Market 公式 https://help2.line.me/creators/web/pc?lang=ja&contentId=20005101 )。スピードは速い一方で、基準を満たさなければ何度でも差し戻されます。落ちやすいポイントを先に知っておきましょう。
リジェクトされやすい主な原因
差し戻しの理由は、技術的なものと内容的なものに分かれます。代表例を挙げます。
- 背景の透過漏れ:透明にすべき背景に白や余白が残っているケース。Canvaの書き出し設定で防げます。
- 知的財産権の侵害:有名キャラクターや実在の人物・ロゴに似ている、ブランド名を使っているなど。AI生成でも、結果が既存作品に酷似すれば問題になります。
- タグや説明文の不一致:内容と関係ないタグを大量につける、説明と中身が食い違うなど。
リジェクトは失敗ではなく、修正案内をもらえる工程だと考えてください。理由を直して再申請すれば、改めて審査を受けられます。
AIイラスト特有の著作権・規約への注意
AIで作った絵を販売に使う場合は、著作権まわりの確認がとても重要です。
使う画像生成AIによって、生成物を商用利用してよいかどうかの規約が異なります。無料プランでは商用利用が制限されるサービスもあります。また、特定の作家やキャラクターの名前を指示文に入れて、その作風に寄せた絵を売るような行為はトラブルのもとです。AIイラストを売る前に知っておくべき権利の話は、AIイラスト副業の著作権で詳しくまとめています。販売を始める前に、必ず一度目を通しておくことをおすすめします。
さらに、副業で得た所得が一定額を超えると確定申告が必要になる場合があります。スタンプの分配金も対象になり得るため、収益が伸びてきたらAI副業の確定申告・税金もチェックしておくと安心です。
ケーススタディ:主婦のAさんの場合
子育て中で在宅時間が長い主婦のAさんが、AIでLINEスタンプ作りを始めた想定ケースを紹介します。
編集部注記:以下は、一般的な始め方をもとに編集部が構成した想定ペルソナです。実在の個人を指すものではなく、収益額もあくまで一例です。
40代の主婦Aさんは、絵を描いた経験はほとんどありませんでした。けれど、家族のLINEでスタンプをよく使っていて、「自分でも作れたら楽しそう」と感じていました。画像生成AIの無料プランで「丸い顔のうさぎが、おつかれさまと言っているイラスト」と指示してみたところ、想像以上にかわいい絵が出てきて、続ける気になったそうです。
同じうさぎで表情やセリフを変え、12個のスタンプを作成。Canvaで背景を透過し、サイズを整えてから、LINE Creators Market に申請しました。最初は背景の透過漏れでリジェクトされましたが、案内に従って直し、2回目で承認されました。
販売を始めた最初の月は、知人が数個買ってくれただけで、分配額は数十円。送金の最低ライン1,000円には遠く届きませんでした。それでもAさんは落ち込まず、季節のあいさつスタンプや、家事で使えるフレーズスタンプを少しずつ追加していきました。
セットが5つ、10つと増えるにつれ、検索で見つけてもらえる機会も増え、半年ほどで分配額の合計が初めて1,000円を超えました。Aさんは「大金ではないけれど、自分の作ったものが知らない誰かに使われているのが何よりうれしい」と話しています。教訓は、最初の売上の小ささに一喜一憂せず、作品数を増やしながら気長に続けることの大切さです。
AI LINEスタンプ副業でよくある質問
Q1. 本当に絵が一枚も描けなくても大丈夫ですか?
はい、画像生成AIが下絵を作ってくれるため、手描きの技術は不要です。必要なのは、出てきた絵を選ぶ目と、Canvaなどで背景透過やサイズ調整を行う作業です。操作は手順を覚えれば難しくありません。
Q2. 初期費用はどのくらいかかりますか?
無料の画像生成AIとCanvaの無料プラン、無料のクリエイター登録だけで一通り始められます。ただし、AIによっては無料プランで商用利用が制限される場合があるため、販売目的で使うときは各サービスの規約を必ず確認してください。
Q3. 審査にはどのくらい時間がかかりますか?
公式情報では、2024年時点で数時間〜約2日で完了するとされています(出典:LINE Creators Market 公式 https://help2.line.me/creators/web/pc?lang=ja&contentId=20005101 )。混雑状況によって前後することがあります。リジェクトされても、修正して何度でも再申請できます。
Q4. どれくらい売れたらお金を受け取れますか?
分配額の合計が1,000円を超えると送金申請ができます(出典:LINE Creators Market 公式 https://help2.line.me/creators/web/pc?lang=ja&contentId=20005127 )。それ未満の分は翌月以降に繰り越されます。振込時には所定の手数料がかかる点も覚えておきましょう。
Q5. AIで作ったスタンプで著作権の問題は起きませんか?
使うAIの利用規約を守り、既存のキャラクターや作家名を指示文に使わなければ、リスクは下げられます。とはいえAIならではの注意点があるため、販売前にAIイラスト副業の著作権で権利関係を確認しておくことをおすすめします。
まとめ
- 画像生成AIで下絵を作り、Canvaで整え、LINE Creators Market に申請すれば、絵が描けなくてもLINEスタンプを販売できます。
- 収益は販売価格から手数料30%を引いた残りの50%、実質約35%が分配され、合計1,000円を超えると送金申請ができます(出典:LINE Creators Market 公式)。
- 審査は数時間〜約2日で速い一方、背景透過や著作権の問題でリジェクトされやすいため、ルールの確認が欠かせません。
- 一度作れば売れ続けるストック型ですが、最初の収益はごく小さい前提で、作品を増やしながら気長に続けるのが現実的な向き合い方です。